料理と買い物の日々 2月4日金曜日

  9時半起床。軽い朝食後、くるみはスペインのヒターノ(ジプシー)の歴史を書いたLos Ziucaliを訳し、薫はPastaの本を訳す。かたわらでは、Paco de Lucia(Manuel de Falla)をかけていた。昼食は1時頃、ビフテキ、ただのオムレツ モロッコソースかけ、チキンスープ、これにスパゲティ・アリオリ。正直いって、モロッコソースはカスバで食べたのに近いのができた。あとからトマトの種及びズルズルの部分を放り込み、胡椒・クミンを加えたのがよかったようだ。乳鉢で香辛料をすってから入れると、もっと馴染むかもしれない。ビフテキkgあたり400ptsの安いのだったか、店のおばさんが「ビフテキ?」と聞いたので、くるみはてっきりそれに使えるものだと思ってしまったらしい。食べてみると、かたく食いちぎりにくく、どうもシチュー用であったらしい。火が通りにくいため、外が焦げても中は赤みがさしたままだった。スパゲッティは、湯に放り込む段になって、間違えてダジャリン(平たい麺)を買ってきたことに気付いた。これは仲々火が通りにくく、油も馴染みにくい。但し、火が通るとうんと柔らかくなるので、日本の焼きそばのようにして食べると良さそうだ。食後もCafé con lecheを飲みながら、午前中の作業を続行。5時過ぎまでほぼ沈黙の時間が過ぎた。

 

  重い腰を上げて、乾物屋、スーパーなどに行くことにし、まず乾物屋に行って「アマド(愛人)200g」と言ったら、兄ちゃんは赤い顔をして驚いた風だったらしい。実は、アマドだけでは誤解を生むので「ベーコン・アマド」と言わなければならなかった。スーパーでは、ビール瓶を返却した分、金がバックするそのレシートを失くして、残念なことをした。帰りに、坂上の酒屋でun poco vinoを味見させてもらって、55pts/Lのを4L瓶で買う。家の空き瓶を持ってきていなかったので、別のに入れてもらったが、蓋がないという。仕方なく、ちゃちなビニールキャップを乗せてもらっただけで、提げて帰る。家で空いたのと、キャップを交換した。午後6時過ぎだが、未だ昼食が腹持ちしているので、遅く食事をとる予定。家にいてもくたびれるもんだ。

 

  夕食後、スーパーで買ってきたプリンをくるみのみ食す。これは卵入りプリンという謳い文句で、フランスのダノン社から出しているものだ。ひと口食べてあまり手作りでない味がしたので、ふうんと思っていると、何と容器に模様が入っていた。どういうことかというと、普通プリンがインスタントや機械で作ったものでないことを見分ける時には、プリンの表面に鬆がたっているかどうかを見るのが常套手段だろう。もちろんよくできたプリンにはシワはあまり立っていないのが普通だが、たいていの場合、卵・牛乳・砂糖・バニラエッセンスを混ぜて、蒸してできるので、シワは多かれ少なかれ立ってしまうのだ。くるみもスーパーでいくるか並んでいるプリンのうち、このようなシワが見えるものを選んだのだった。安売りの為、2つで47ptsと安い。自然品がまだ溢れているスペインだから、というのが頭にあったのかもしれないが、手作りにして安いなと思っていた。ところが食べている途中で、よく見るとプリンの入った容器にはでこぼこの模様が入っており、このためにただのインスタントプリンを入れても(蒸さないプリンでも)鬆が立ったように見せかけることができる。またプリンはカップ8分目ほどしか入っていないが、プリンが入っていないところにも模様が入っている。しかし、何とこれもダノン社のプリン固定用ボール紙によって隠されてしまっているのだった。何ということ。もっと目が必要である。

 

晩飯は、スパゲティ・アラ・カルボナーラ。水族館社の本を見ながら、薫が作った。ベーコンと玉ねぎを多めのバターで炒めた上で、白vinoを煮込み、コクを出すのがミソ。電熱線の都合でスパゲティが茹で上がるのと、ベーコンの煮込みの時間を合わせるのに気を使った。塩はベーコンを炒める段で効かせればいい模様。出来上がりはかなりコクがあるので(伊丹十三式と違って)、パセリは結構多くても釣り合うのではないかとの助言を得た。ただ、この多量バター・白vino煮込み方式はカルボナーラ(ベーコンが主人)の場合、重くなりすぎる気が個人的にはする。この間のシャンピニョンにこの方式がうまく合ったのは、きのこがあっさり、トマトも割とあっさりなので、うまくあっさり具合を残しながら、コクが引き立てバランスが取れたのだろう。

今度はまた違ったパスタをやってみてやる。

 

このカルボナーラをやっている最中、ジョハディの女友達(奥さん)が英語のできる女の子を連れて、わざわざ、先に尋ねた料理用語の意味を教えにきてくれた。

 

 追記;この間からCCLに細かいコーヒーの粉が浮くので、どうしたことかと思っていた。原因がわかった。かなり熱したプレートに急に置くと、噴き出す圧力が高すぎて、粉も一緒に出るようなのだ。メーカーをプレートに置いてからスイッチオンし、次第に熱が上がるようにすると、粉が浮かなかったのでわかった。日本のガステーブルではどうであろうか。