バルセロナに雨が降る 2月5日土曜日

  この日、明け方に雨が降ったらしく。路上が濡れていたので、とても驚いた。バルセロナにも雨が降るのだ。ひょっとすると、これまでにも夜中に雨が降ったことがあったのかもしれない。

 

  朝食をとらずに、9時頃、市場に買い出しに行く。透明な小魚(しらすみたいな)はじめ、野菜など多く購入。帰ってから昼食を兼ねた朝食。CCL、パン(桃ジャム付き、バター焼き)、オムレツモロッコソースかけ、オレンヂ1個、プリン1個(薫独占)。モロッコソースがこの間より香辛料が馴染み、うまかった。オムレツには今日買った19ptsという最高の白玉を使った。いつもより黄身の色は薄いが、焼いてみると昔嗅いだような香ばしい玉子焼きぃーという香りが漂っている。これはバターで焼いたが、とりわけモロッコソースとよく合う。元々の味を持つ、玉子らしい玉子焼きとバター、モロッコソースは切っても切れない関係に陥ったようだ。さて、作り方は簡単なので、成分だけ備忘のため、メモしておく。

  • トマトのずるずるカスバでは、身をサラダに使い、ズルズルをボールか皿にみな取り出していた。身は必要ないと思う。潰したトマトの缶詰も、カスバでは入れているらしく、これは何でできているのかと聞くと、倉庫まで連れていって、トマト缶を差し出してみせてくれた。その他の成分も書いてくれたが、こちらが想像つくものしか書いてくれず、香辛料については聞き出せなかった。これはくるみがEl Corteのスーパーの香辛料売場で嗅ぎ分け、見つけた。
  • トマト缶(出来上がりものの半分以上も入れない方がいいのではないか)
  • 刻み玉ねぎ
  • 塩胡椒(胡椒は意外に役割を持っていそうだ)
  • タイム
  • クミン  どちらかというと、タイムに重点か?エベレスト社の本には羊焼き(イスラムで      

      よく食べる)などにはタイムを使うとあったので。

      しかし、香りはクミンの方がずっと強く、且つアフリカを想起させるので、はじ

      めはクミンだけかと思っていた。

 

これらをよりよく混ぜ合わせればよい。トマトのずるずるの中にある種も潰せればその方がいいだろうが、面倒臭い。タイム・クミンは乳鉢か何かですりつぶして混ぜる。タイムは結構入れても差し支えない。混ぜ合わせたものはできれば馴染むまで半日での1日でも置いておいた方がよい。今回はラップして、冷蔵庫に入れておいた。以上。今日は昨日遅かった割に早起きしたのでしんどい。昼はスペイン語としばらくにらめっこして、くたびれたら昼寝でもしよう。

 

  結局、昼寝もせずにいて、夕方スーパーに追加の買い物に行った。スーパーの八百屋はパンクロック風の髪型をした兄ちゃんたちがやっているのだが、ここだけはBGNOWROCKがかかっていて、くるみにはおかしかったそうだ。試食品コーナーは人だかりで、半身乗り出しているおばはんもいた。夜は、2名共同でARROZ DE MARISCO作りにかかったら、 ARROZが足りず、 spaghettiに変更。玉ねぎ、にんにく、トマトをオリーブオイルで炒めてから、白vinoを入れて、煮込んだ魚介類(今回はあさり()とガンバ())を汁ごと放り込み、塩胡椒で調味して出来上がり。反省としては、塩が少し足らず、具のせいかあっさりできて、物足らず。Vino調査のつもりで買ったRIOJAの白も洗練されすぎ、やや未練が残った。

  仕方なく、薫は腹と気分直しにsopa de ajoを作る。これで成功。多めのオリーブオイルでニンニクを炒め、硬くなったパンを放り込み、水を加えて煮込み、塩胡椒で味付け、よく煮込み、味をこなれさせて、出来上がり。前回の反省に立って、塩加減を重視したのがよかった。また、今回気づいたが、パンは不思議なことに新しいものより古いものの方が旨い気がする。どうしてだろうか。油が濃く、香ばしいような、何ともそれらしい味がした。胡椒は粗挽きがよし。

 

  • 重要な追記

これまで、市場に通って思ったが、スペインでは食物が時々刻々変化し、生きているのがよくわかる。吉田健一氏によると、時間とともに変化するのが当たり前なので、それが生きているということなのだとなる。日本ではこれほど変化を味わうことがなく、ひどく新鮮だった。エストレラという名のパン屋で買った、香り高く値段安いパンも夕方にはかなり水分を失い、翌日にはカラカラと言っていいほどになる。鶏肉屋も、良い店だと思って観察することなく買っていると、いつか古い肉が溜まり、客が少なくなっていたりする。鶏も臭いを放ち出している。オレンジやvinoも然り。自然を食うとはこういうことなのだろう。さて、そうすると、日本のあのパンやハムは何なんだろうか?