一日中、一歩も室内を出ずに過ごす。昨夜遅かったため、疲れが残り、12時頃まで寝てしまった。素早く朝食を摂り、カタルーニャのガイドブックをめくったりして一服したのち、薫がパエージャ作りに取り掛かった。この間、くるみはパスタの本を訳していた。ともに
集中し、無言。パエージャは例によってテクストに倣い作ったが、今回の特徴だけ記す。
< パエージャのレシピ >
鶏肉200g、トマト小2ヶ、米一合、玉葱中一個、ターメリック、パプリカ、鶏がらスープ、
塩、海老。
今回はトマトとターメリックを使った。特に、ターメリック使用が大きな相違。サフランのような香りは乏しいが、味的には十分間に合う。鶏肉入りの黄色いご飯がパエージャだと言うなら、これで十分イケる。今まで食べた店のパエージャも、ターメリックを使っていた所はあるに違いない。鳥だしのコクと油も決めてだ。これで一応、ベーシックなパエージャ作りは
飲み込めたようだ。
反省点としては、塩加減とご飯の固さで、今度は鳥スープを熱くして入れる事が必要。
次回やる時は、ムール貝やイカ、海老などを入れて本式のパエージャにしたい。
このあと、薫は風呂に入る。ここの風呂にも困ったもんで、常に湯の出なくなる心配が付きまとうので、くるみが熱い湯を沸かして用意していた。せっかく、西洋式バスタブなので、バスバブルを買ったのに、石鹸のように使っていると言う。
くるみは少ない湯の中にバスバブルを入れて湯の中に浸っているので、まるでアザラシのように寝返りを打たねば、身体全体に泡が行き渡らない。とにかく、バケツに湯を一杯汲んで、
無事入浴は完了した。薫は風呂に入った時、いつもそうするようにベッドに潜り込んだ。
シエスタ。
くるみはシコシコと、パスタの本の訳をまだ続けた。パスタの作り方で新たにわかった事は、のし板にした後、20分ほど乾かさねばならぬこと、切るときは細長く巻いてから粉付き包丁で切ること等々。
夕食の支度に取り掛かっていると、薫が奇声を発して起きて来た。以下は今晩のメニュー
<今晩のメニュー>
* 鶏の中華風 プエロ入り
* ハンバーグ トマトソース、人参、隠元添え
* スパゲティ カルボナーラ
* Vino
今日はお馴染みさんなので、わざわざ作り方を記さず、感想のみ記す。
今、薫より要請があったので、鶏の中華風のみ作り方を書いておこう。
* 鶏の中華風 プエロ入り leek puerro
プエロ太いの1本/鶏肉 皮を剥いで削ぎ切りにしたもの150グラム位/
醤油/砂糖/酢/パプリカ/塩/サラダ油/ニンニク/ワイン/小麦粉
❶ プエロも、ニンニクも微塵に刻んでおく。
❷ 削ぎ切りにした鶏肉は、胡椒を振り、醤油、ワインの中に漬け込んでおく。(刻みニンニクも混ぜて)
❸ フライパンに油を熱し、(多め)小麦粉をまぶした鶏肉を炒め揚げし、(ソフリット)皿に取る。
❹ 油を熱した中に、ニンニクを入れて炒め、プエロを放り込んでよく炒める。
❺ 少し水を足し、醤油、砂糖、酢、塩で味を整え、パプリカを振る。
❻ 少し煮詰まったら、❸の鶏肉を入れ、絡めて、出来上がり。
* 日本でやるような要領と感覚で味付けしたのに、プエロがネギとは似ていながらも
違うこと、醤油が奇妙に甘いことなどが重なり、思い掛けない味になった。薫は。ソースみたいだ!と言って喜んだが。
あと、ハンバーグはかなり薄くして焼くこと。今日のも真ん中をつぶして焼いたのに、出来上がりは、コロッと膨らんでしまった。プエロは、ネギより辛味が少なく、とろっとして溶けやすい物体だ。煮込みに適すか。少し甘い。
昨日もらった冊子の眼を通していると、やはり、カタルーニャ統一の為のプロパガンダという色彩が強いのに気付いた。まあ、あまり、粋ではないが、背景を十分知らないので、今は
少し控えておこう。
各所にカタラン人としての誇りを助長する記述があり、その情熱たるや凄まじい。これは
何に由来しているのか。
書きながら珈琲を入れたが、気が付いたら、エスプレッソメーカーから珈琲は溢れ、電熱器の上に飛び散り、ころころした珈琲の水粒は、行きどころなく彷徨っていた。
珈琲が出来ても、電熱器から下ろさず、しばらく放っておいてもいいのかと思っていたが、頃合いがやはりあるようだ。
継ぎ目から蒸気が漏れ、(ということは締め方が甘い)、それが止み、ポットの口から
白い蒸気が出た辺りで珈琲は出来ているので、すかさず下さなければならない。
さて、寝よう。