3月2日 モンパルナス墓地、曇り

  曇り。

  モンパルナス南でmetroを降り、フランスにしては安手のcafé(キャフェー)で朝食。金のなさそうな客が多いので決めた。カフェオレよし。クロワッサンふつう。

 

  すぐそばのモンパルナス墓地に入り、寒空のもと散策。人少し。くるみは思ったよりお墓自体は大きかったらしい。全体は青山墓地より小さく樹木も少ない。デスマスクあり、棺おけあり。四角い地下道への入口のようなのもあった。

 

  道ゆくおばさんにボードレールの墓を聞いたら、わざわざ遠くの方まで歩いて連れて行ってくれた。彼の墓には3~4人の名前が並んでいて、どういうことかよくわからなかった。とくに趣きなし。死んだ後は関係ない。しばらくゆくとサルトルのもあった。頭のあたりの石が変形の五角形をしていたので少し面白かった。

 

  墓地を出てモンパルナスをゆく。露天市場で八角とハーブを買う。安食堂見つからないので、オデオンに歩いて戻り、昨夜の中華ベトナム料理屋に入る。やはり量少ない為、のちのち空腹になって困った。歩いてルーブル百貨店を探したが見つからず。薫は肩と風邪の疲れでだいぶ参っていた。

 

  しかし、最後なのでmetroラファイエット百貨店にゆく。オ・プランタンより少しおばさんぽい。良いもの見つからず、くるみ焦る。オ・プランタンにゆく。良いものはあるが、持ち金より高し。スカーフも見たが結局買わぬことに決めたようだった。百貨店で見ていると、なるほどフランスの女性はシックなものをうまくコーディネイトしている人がかなり多い。自分を知り、全体の見え方(つま先から頭のてっぺんまで歩き方も含めて)を考えている。これは見習うべき。ファッションは近視眼ではいけない。2人ともかなりうらぶれてmetroでオデオンへ。前にパリに来た時何度も入ったステラ上の中華料理店に入る。味一歩上手、量多し。客も常連が多い。Carneも切れてサンジェルマンを歩いて帰る。途中コルクだけの店屋があった。オーストリッツそばで菓子とビールを買ってホテルに帰る。菓子は、飛行機用。

 部屋で、旅中で最後の乾杯をして、薫はベッドに入った。そしたら、くるみが何かしら絡んでいさかいが起こった。どうも外国服に関する気持ちの整理がつかなかった為らしい。人はいろいろ考える。機嫌を直して洋梨を食べ、寝ることにする。12時消燈予定。