エディンバラ駅構内は立派だ。ただ天井ひとつにも相当な凝りようなのである。唐草模様か?
バックパッカー達が夜も明けぬ中を次々と出て行く。私たちも出発することにした。構内から地上への道はスロープになっており、障害者の為の手摺りがついている。駅全体がなんだかひとつの古城に見える。この街は全体が起伏のある丘陵になっているようで、そこにあちらこちらと焼け焦げたような古びた建物が建っている。
その古めかしい城の塔の群と、薄暗い空が異様に思われた。ツーリストインフォメーションが
まだ開いていなかったので、"地球の歩き方"に出ていたホテルのひとつに行ってみることにした。バスでも行けるようだが勿体ないので例のように何人もの人に教わりながら、やっとたどり着くと、NO vacancyとの事。大がっくり…
それでも気を取り直しまずは朝食でもと公園を探したが見当たらず。
結局、道路脇の小高い丘の樹の根っこにうずくまっての朝食となった。道ゆく人が、good
morningと声を掛けてくる。犬が寄ってくる。
バスの中の人々が心なしかこちらを見ていくような気がする。
風はいよいよ冷たくなった。それでもある程度お腹を満たしたのでまた歩き始める。
今度は妹尾河童さんの本に書いてあった宿に
TEL。くるみが担当した。だが、普段でさえ聴き取りにくい英語が、身振りなしで電波を通しているため、余計に聴き取りにくい。
予約の確認をしないまま電話は切れた。
仕方ない、又歩くか。
行きつ戻りつしてやっと探し当てた
GUEST HOUSE BARROSA.
今までになく清潔で立派なHotelだ。くるみ感激。しかし、よく聞いてみると2人で7.5ポンド
ではなく、EACH各々7.5ポンド要ると言う。
2人で15ポンドならロンドンと変わらないじゃないか?全く地球も、河童も当てにならないと、八つ当たり。色々揉めた末に2nights
でEACH7ポンドで話しを決めた。
まずは今日の宿が確保されただけでもひと安心。
見事な、という程でもないか知らんが、(トイレとともで四畳半くらい)一応写真におさめる。
いや、六畳か。10時半に図々しくチェックインした挙句、昼から風呂をただで使わせてもらってゆっくりした後、遅い昼食を食べに出かけた。
風呂は本当は別に20ペンス必要なのだが、入ってみると、お湯が出なくて2人とも寒い思いをした。
あまりロクなもんを食べていないため、くるみはめまいさえした。
今日は金に糸目をつけずに好きなものを食べようという薫の提案は口だけで、安そうな食堂風スナック店に入った。
薫はハンバーガーとフィッシュアンドチップス、くるみは、viena steakと、ハンバーガーアンドオニオンを注文、あと、teaふたつ、coke
ひとつ。
viena steakは結構おいしかった。まずは温かいだけで素晴らしい。何と今まで温かい食べ物を
飛行機を降りてから食べてなかった。
viena はウィーン風だろうけど、牛のミンチカツで沢山のフライドポテトがついて来た。
ハンバーガーもかなりいける。それに安い❗️
かのマクドナルドの半値くらいで結構ボリュームもある。
二人とも初めて人心地がした。FISH&chips
と言うのは白身魚の天ぷらにフライドポテトが付いたものだが、食した奴は少し癖があってくどいのでさほどおいしいものではない。
その魚は、haddockと言うそうだ。これで締めて2.9ポンド。
金に糸目をつけないと言っても、たかが知れている。先は長いからね、財布を握るものは慎重なのだよ。気持ちだけでも優雅に行きたいね。
そのあと、通りの店を冷やかしながら帰って来た。イギリスには肉屋とパン屋がやたらと多い。肉屋には、ハム、ソーセージ、ベーコンの類いを量り売りで置いている。日本ではみな
ちょん切ったり、スライスしたり、まず、カットがパックに入ってるのが多いのじゃないかな。どうかな、君の近所は。
間口の狭い店が多いようだ。どの店も結構人が
入っていた。パン屋は、ウインドウに綺麗にパンを並べて売っているが、どれもこれも砂糖で飾り付けた甘そうなのが多い。パイ類もよく食べるようだ。
魚屋は非常に閑散としている。ショーウィンドウを覗いたら、scotch salmon.haddock.smoked
haddock他、貝類、にしんの燻製か、干したのなどが疎らに置いてあるだけ。
とても日本のような、らっしゃい、らっしゃい
的な威勢の良さはない。生ものをあまり置いていないようなのも、違った点だ。
イギリスは海に囲まれた国で、条件は日本と同じはずなのに。
鍵屋を見かけたので、入ってcombination LOCK
を買った。店員さんは若い男の子で、腕に激しく入れ墨をしていたので、薫が聞いた。
タトゥーなの?そしたら彼は
usually GO (いつもこうさ。)と答えた。