バルセロナの青空を薄く雲が覆っている。
9時過ぎに毅然と起床。米とパンを買いに出かける。この間の赤葡萄酒は接着剤の臭いがしてどうも揮発性のアルコールか何かを混ぜているようなので、でも金ないので料理用に回すとして、VINOも追加して買う。アパートに戻り、カッフェ、トースト、フルーツサラダで朝食。
11時頃、Gran ViaにあるOficina de Turismoにゆく。何となくメトロの乗客に元気がなく、ぼんやりこちらを見ている気がした。昨今思うのは、バルセロナ辺りだとやはり都会で
住民の眼が懐疑的な表情をしていることだ。警戒しているのか。年末のちょっとした我々の
事件を思えば、無理もないが。田舎はこうではない。田舎に住めば、もう少し和やかな気分で
暮らせるかも知れない。当地の文明が都市化を迎えた時の反応を見ているようだ。
ともかく、ふたりのポリスに尋ねてOficinaに着いた。
最初に扉を開けたのは、フランス人専用のinformationで隣りが一般用だった。ここは休憩用のソファのある落ち着いた、趣味のいい工芸品を配した雰囲気のある案内所だった。中年の
小柄なキビキビした女性と、若いにいちゃんとでこなしている。帰りに乗るパキスタン航空
(PIA)の場所をまず聞いたが、手を尽くした挙句、電話番号しか分からなかった。PIA officeの住所を見せても、その通りはどうしても見つからない、と言う。間違った住所を堂々とリストに載せているところがPIAらしい。おまけに、電話番号まで違っていたのにはあきれた。
おそらく、変更したのだろう。
このあと、料理本を買うために本屋と、それにレストランを紹介してもらう。後者のためには全てが載っていると言う小さなガイドブックをくれた。自分で見て考えろというわけだ。黒い鉄飾り(イスラム模様)をここでくるみが見止め、気に入ったので何処で買えるか聞いたが知らなかった。
ただ、ポスターをくれと頼むと、実に俗悪な海の観光ポスター2種をくれたので、もう一度
薫がカタルーニャのを欲しいというと、入り口に貼ってあるのと同じものと、もう一枚をくれた。いくつも貼ってあるポスターのうち、ガウディのParque Guellの天井を撮ったToni Vidalのがずば抜けて良かった。彼のは、他に歴史ある石造建築を斜めにカメラに収めたものと、
バルセロナの上空からデルタを撮ったのとがあったが、これは出してもらえなかった。今度は
別のoficinaで頼んでみよう。彼の写真は、変化に富むナチュラルな色調を出し、画面構成に
大胆な変化を持たせるのが特徴だ。デルタの向こうの風景も深度深く見せるようにしている。大胆な角度から、しかも嫌らしくなく新鮮に撮る才能に優れているようだ。カタルーニャ政府は意外なところで気を配っているようで、独立運動の話しと合わせると、その意気込みが
面白い。出てから、くるみがPIAに電話してくれたが番号が違うのか、掛け方がうまくないのか、かからず。
教えてもらったEl Corte Ingles(百貨店)北の本屋”Casa de Livro"にゆく。ここは
これまでの中で一番品数が豊富だ。それなのにoficinaでは何故、最初に百貨店一階の本屋を
紹介したのだろうか。
数ある料理本の中から、うまいイラストで文章を補ったスープの本と、英語版の
Favorite Spanish Dishesという本を購入した。後者は様々なベーシックな料理について
材料と料理法を簡潔に書いてある。比較的わかりやすい英語で基本を掴むつもりである。
このあと、El Corteで音楽テープを見たが、およそ600〜900pesetasで、マドリッドの蚤の市で買ったような200pesetasのなどとても見当たらない。およそ用を足し、2時過ぎ
アパートに帰った。
予定通り、昨夜の残りのカレーライスと、一見サラダ・モロケインを食べる。買ったvino
を味見してみたら、さっぱりしてまずまずだが、不思議にバターのような香りがした。
カレーライス旨し。サラダ・モロケイン辛し。腹ふくるる思い。薫は寝転んで料理本を読み、
くるみちゃんは片付け物をする。4時過ぎたので足りないものを買いに出かけた。
目当ての珈琲豆屋、スーパーマーケットは5時にならぬと開かないので、しばらく辺りを歩き回ることにした。そうしていたら、スーパーを2つ発見、市場もめっけた。市場が開き始めたので、牛の骨付きシチュー用ぶつ切りを購入。ここはサンホセ市場より全体に高め。あれ程の
活気はなかった。(午後だからかも知れないが)このあと。新しいスーパーにゆき、トマト缶
イワシ缶、ワインを買う。ここは以前行っていたスーパーより各品につき、5pesetasくらいづつ安目である。ワインはSigloの安いのがあったのでまた買ってしまったのだった。市場に戻って香辛料を仕入れアパートに戻る。夕食の支度。
<今晩の献立>
* 鶏ささみのエンパナーダ
* huevo de a la flamenca
* spaghetti aglio olio
* モロッコ風サラダと、チコリ
* ビール
* ケーキ、ジャスミンティ
鶏ささみのエンパナーダ
材料;とりささみ肉130グラム、細かいパン粉、油、卵、塩胡椒
作り方;とりささみは薄くそぎ切りし、塩胡椒する。とき卵にこれを浸け、パン粉をまぶす。
フライパンに油を熱し、焼く。
ウエボ・デッラ・フラメンカ
材料;じゃがいも小2個、いんげん4本、太っちょ肉4切れ、ベーコン半枚、オリーブ油
ニンニク1片、トマトピューレ大さじ10杯、塩砂糖胡椒、卵2個
作り方;① じゃがいもは線切り、いんげんも小さく切っておく。
② フライパンに油を熱し、みじん切りにしたニンニクとベーコンを炒める。
③ よく炒まったら太っちょ肉を加え、さらにじゃがいも、いんげんと炒めて
じゃがいもが柔らかくなるまで続ける。
④ これを土鍋に移し、トマトピューレを注ぎこみ、少し煮て塩砂糖胡椒で味付けをし
煮詰める。
⑤ 卵を落として出来上がり。
反省;煮過ぎて汁気がなくなってしまわぬように注意。
薫はまたしても寝てしまいました。私も眠たい。明日は少し離れたMERCADOにゆき、卵を買う予定。