昨夜、白ヴィノを呑み過ぎたせいか、なんと無く身体がだるい。今日はまた、IBERIA航空まで午前中に行かなければならないので、どうしても起きなければならないのでした。
カフェコンレッチェと、古くなったパンをフレンチトーストにして食べました。フレンチトーストは牛乳と卵をよく合わせたところにパンを漬け込んでバターで焼くものですが、砂糖は粉砂糖の場合を除いて牛乳と卵の汁によく混ぜ込んでおいた方が良いようです。ジャリジャリしてしまい、甘味も溶け合わないので。
メトロはとても混み合っていました。10時過ぎでしたが、通勤客なのでしょうか。いつものように、URQUINAONAで下車し、歩いてoficinaへ。驚いたことに3月2日の便はすでに
complete,fullだと言われ、次の日の3日の便の予約をまたimputしてもらわねばなりませんでした。そのため、また明日も確認に行かねばならないはめになりました。やばい!これは大変だぞ。もう最初のようにRAWALPINDIがいいの、北京に行きたいのと贅沢は言っていられなくなったのです。無事にお金の無くならないうちに東京に着けたらいいというもの。やっぱり、
PIA(パキスタン航空)だなあ。それとも私たちが遅すぎるのかしら。とにかく、運を天に任せよう。どっと疲れたけれど、元気を振り絞って、市場にゆくことにしました。
この間から話していた、多分、バルセロナで一番大きい公設市場が、地下鉄のUNIVERSIDADから歩いて7分くらいのところにあるから、それを一度覗いて見ようという事でした。
歩いて市場に向かう途中、広い道路の向こう側を、馬に跨った人々が行進してゆきました。スペインの旗と、おそらくはカタルーニャの旗を捧げ持ち、栗毛の馬に跨った紺色の制服を着た一団、やはり、栗毛に黒のシルクハットを被り、背広を着た一団、白馬にベージュのジャケットを粋に着こなし髭を生やした人の多い一団。
そして、CERVEZA(ビール)メーカーのDAMNの樽をたくさん積んだ荷車を、首に一杯鈴を付けた馬が足並み揃えて引く馬車。これらの一団の為に、車は脇にどけられ、迷惑しているようでした。今日は何処かの祭りだということでした。BARIの祭りと分かりました。
国民的な祝日ではないので、店や人々はお休みではないけれど、道端に机を出して、フィエスタ用のケーキを売っている店もありました。
公設市場はなるほど大きく、外観からみるとイスラム風模様の飾りが付いているようで、なかなか綺麗ではありました。外周は、洋服屋、日用雑貨店(ザルや木べらなどを扱っている)がテントを張って取り囲んでおり、その奥にいわゆる乾物屋、乾し肉屋、肉屋、八百屋、
魚屋と続きます。ここの市場でも、魚屋は中央でした。値段は店によって幅はあるけれど、
およそ5%安と、薫は踏みました。しかし、何故か、3割位の店は朝から開けた様子なく、
広い割に店を見比べる事ができないのは残念でした。豚肉500g、キャベツ小一個、胡瓜の
ピクルス、黒オリーブ、ムール貝500gを買い込み、最後に思い立って、生まソーセージの旨そうなのを2本買いました。perejilはどこの店でも置いていませんでした。
信号待ちのふたりのおばさんに道を聞きながら、Metro UNIVERSIDADに着き、ALFONSO Xで降りて、やっと家までたどり着いた頃には、もう午後1時をまわっていました。
簡単な食事にしようよ、パンも余っているし、と言っていたにも関わらず、つい、
オニオンスープなどこさえて仕舞いました。残りの鶏スープ、カップ一杯を使いましたが、
ビーフストックの方が合いそうです。でもまあ、これで解剖した鶏関係は全部使い尽くしたのだから、トリもきっと浮かばれるだろうと、ひとり勝手に満足の笑みをたたえながら、せっせと食事の支度に専念していました。
生まソーセージは、2本で138pesetasと高く、勿体ないので、一本だけ半分ずつにして
食べることにしました。こいつは太く、生肉が詰まっているので、火が通り難かろうと、茹でてから焼こうかとも思いましたが、やっぱりじゅうじゅうに焼いた方が旨そうなので、フライパンで十分焼きました。途中、水をかけて蓋して蒸らした結果、結構まともな焼け具合になったので、あわててむさぼったのでした。中には、粒々の黒胡椒が入っており、粗挽き肉なので、新鮮な感じで、グーでした。その他、トマトサラダ、トーストパンをあしらい、昼食を
終えました。なんと食べ終わったら、3時前でした。
食後のカフェを飲んでのち、くるみは掃き掃除を、薫は料理本の訳に取り掛かりました。
今日はだるいので、買い物ゆくのやめようかなーと思ったけれど、材料が足りないので
坂下角の店にて、ベーコン、ツナ缶など購入。が、いちいち英語とまったく違う言い方をするので、互いに困り果てた。帰りがけに薫が、買い物用語帳を作ることを思い立ち、たった今、製作に取り組んでいるところ。
くるみは、今日買って来た胡瓜のピクルスをつまみながら、これを書いているが、この
ピクルスは古漬けのようですごくおいしい。日本で食べるピクルスは、変に甘くって、気味が悪いので好きではないが、こちらの店で量り売りしているのは、酸っぱく、身がきゅっと引き締まっていて、まさに漬物(良質な)といった風だ。店の感じも漬け物屋さんという風で、
市場の中に入っている店では小さな容器に入れて出しているが、MATAS近くの卸屋さんみたいなところだと、樽にごっそりと浸かっていて豪快だ。
そこから、穴の空いたヘラで水気を切って、ビニール袋に入れ量ってくれる。
オリーブもこういう店で売っている。よく見ると、月桂樹の葉を入れてあったり、ニンニクが
まるごと放り込んであったりして、店ごとに壺ごとに工夫がされているようだ。
今日はいつもと違い、黒オリーブのつやつやしたのを、medio kilo買って来たが、これは
よく煮た黒豆に似ている。グリーンのと違って少し苦味があり、噛み砕くと、じわっと油を
含んでいるのが特徴。漬け方が異なるのかどうか知らないが、グリーンオリーブのような
酸味は少ない。
多分、黒いのは熟したやつなので油っぽく、味付けも控えめにしており、グリーンのは
まだ若く堅いので塩を多めにして、柔らかくなるよう工夫されているのではなかろうか。
それにしても旨い。旨いと言いながらコップの中のピクルスは、あとふたつになってしまった。小さい胡瓜の形もかわいいので、つい釣られて食べてしまうが。食べた後、喉越しがサッパリするのも爽快だ。そう云えば、この間スーパーでやむなく瓶入りオリーブを買ったが、漬かりすぎて身が柔らかく、好みではなかった。よそのおばさんもこの瓶詰めをためらいなく買ったことろを見てもしかり。
イタリアからスペインへ向かう車中で、イタリア青年が、”オリーブ!”と叫んだ様子から
しても、この味わい深い果実オリーブは残念なことに皆から時代遅れ、田舎風のものとして
少しづつ遠ざかっているのではなかろうか。上記漬物屋が存在しているのだから、そんなことはもう少し先の話しだろうけど。
書き忘れたが、市場で買い物している時、肉屋に40センチほどの動物の頭があった。
見たひとつは、骨だけでがいこつのようになっており、もうひとつは、皮を剥がれて
目を剥き、血塗れになっていた。ウサギより大きいし、牛より小さいし、と思いながら
歩いてゆくと、まだ毛の生えたままのヤギの頭が色違いで、3つほど並んでいた。
それにしても、ヤギの頭なんて一体何に使うのだろうか?この間の、ウサギのチョキチョキといい、臓物屋さんの脳味噌といい、我々見慣れぬものにとっては、気味悪い限りだ。
西洋人はこういうのを見て、ヨダレをたらっと垂らすのだろうか。不可思議である。
薫が急に、腹減った!というので気が付いたら、8時だった。夕飯には、sopa cinaを
作ろうと思い、キャベツと豚肉を買ってあったが、さて主食はというと困ったのだった。
ご飯は鍋の底が割れてて、炊けないし。Tallalinで焼きそば風にしようか。
迷った末は以下の通り。
(今晩の献立)
* sopa cina
豚肉 150g位、キャベツ100g、水カップ5杯、醤油スプーン1、砂糖1.5、塩
油 1、コーンスターチ1.5、胡椒
作り方:
鍋に湯を沸かし、豚塊肉を放り込み、15分程煮る。
キャベツは千切りにしておく。
豚肉を鍋から取り出し、千切りにして、醤油、砂糖、油、胡椒、コーンスターチをまぶしておく。
豚を煮た鍋で、キャベツを10分程煮る。
次に調味料をまぶした肉を入れて、その後10分とろ火で煮る。
味付けをみて、塩少々で整える。
反省:
醤油に対して、砂糖が多かった。こちらの醤油は日本のと違い、甘味が濃く、クセも強いので
控えたのだが。砂糖をもっと抑えて、隠し味程度とし、塩と醤油を主体に味を決めるべきだ。
日本では、醤油の塩気が強いので、砂糖が少々多くていいように思うが。
キャベツは火の通りが早いので、10分より短くてもよいようだ。
コーンスターチはやや増しで、とろみを出す。
* Tallalin焼きそば風は省略。
この後、くるみは漬けておいた洗濯物を済ませ、薫はふきものと、ムール貝を料理した。
今日、彼は、ノンアルコールデイと言っていたが、何の事はない、モリレスを呑んで、真っ赤に茹っているのだから。ふたりとも風邪気味だし、疲れているので、もう休もうと思う。