昨夜、咳がいっぱい出て、苦しかったら、今朝は身体がだるく、風邪気味のようでした。薫はいつものようにグースカよく寝たので、先に起きてパンを買いに行きました。
cafe con leche(以下、CCLと略す)とトーストの食事を終え、頑張って市場まで買い物にゆくことにしました。今日は少し離れたところにある比較的大きそうなmercadoを目指します。
昨日のところはイマイチ活気がなく物も高いからです。通りを下り、travessera de gracia
通りに曲がった辺りから、ボチボチ買い物カゴを下げて帰ってくるおじさんやおばさんが増えて来ました。明日は日曜で休みなので買い溜めをするのでしょうか。アパートの近所から
ここまではずっと高層の建物が立ち並んでいましたが、ここいら辺に来ると、比較的低層の
建物、店屋が多くなって来ました。薬屋さん、荒物屋さんなど生活用品を扱う店がよく見られ
都市バルセロナとまた違った下町的な雰囲気がします。
mercadoは人々がごちゃっと多く出入りしているので、すぐそれと知れました。やはり、
体育館の屋根(天井)のように鉄骨が組まれており、サンホセ市場よりひとまわり小さめかなと見えました。値段はサンホセと同程度、活気はなかなかのものです。通路の中心部にある
魚屋の通りは狭い為か、人々が混み合っている感じも活きのいい物を売っている印象を与えます。
一巡りした後、スープに使うためのアーティチョークを2個薫が、mas pequeno!と言って
買いました。カメラを向けると、”おおっ、、”と驚いていましたが、結構感じの良いおばさん
達のいる八百屋でした。センター通りの魚屋で旨そうに光ったいわしを250グラム購入。
ここは他より高いけど、いわし専門店のように細かく砕かれた氷の上にたくさんのイワシ達が
盛りあげられていました。いかにも新しそうな目をしてぷりぷりと締まった身が旨そうで思わず買ってしまいました。250グラムで90円ちょっと。それから出汁取りの鶏を買いに
polleria(鶏専門店)にゆき鶏一羽を買ってしまいました。本当は皮のついた脚を何本か欲しかったのだけれど、売っているのはとり丸ごと。ほか、ささみ肉、レバー、それに切り落とされてつもった頭だけのようでした。どうも出汁取りには頭や頭や足を使うことが本を見てわかったのでした。鶏ののれんの中からくるみの指差した鳥がはずされ、ぶつ切りにしてくれと、ジェスチャーで示すと、机に取りつけられた残酷な大ハサミでジョキジョキと切って、たちまちのうちに断片になってしまったのでした。切り落とされるところは中々残酷で見たくもあり
見たくもなしという複雑な心境でありました。切られて転がった頭の断面は不気味でした。そういえば、前に買い物をしていたおばさんがうさぎを注文した時もこのハサミでいとも簡単、
こともなげにジョキジョキと断片にしていったのは尚更凄く、まともに見られませんでした。やっぱり、みんなうさぎ食べてるんだなあ。ひゃーと言う感じ。私たちがわあわあ言っているので店の人は笑っており、薫がパチパチシャッターを切っているので面白がっているようでも
ありました。Adios!と店を去る。香辛料を売っているボケた爺さんの店で、NUEZ MOZCADA
を買おうとすると、楕円球の形の木の実をころころと量りの上に載せ、紙で作った筒の中に
放り込んだのでした。慌てて、挽いてくれというと、自分でやるのだという口ぶりでした。
どうもこのコロッとした実を皮を剥いて?磨りおろすのかも知れません。とにかく
合点がゆかぬ顔をしながら、ころころのナツメグ4つを入れた新聞紙の筒をもって
mercadoを出たのでした。食べてみろと言われ、小さい飴をひとつもらって。ここの市場はサンホセに比べて生活人の市場という感じがします。売る人も客もあまり険険した様子がなく皆
余裕があるような気がしました。ここの市場を見つけたのは、ここバルセロナで暮らす上で
大きな意味があるのではないでしょうか。この周辺の店屋も何かしらごちゃごちゃとしていて、はやっているのも気持ち良い。帰りがけ、アパートの部屋掃除のための小さい箒を買いました。何かと物入りで困ります、ふんとに。だけど、受付のおっさんの話では、一回senora
に掃除してもらうと、100pesetas出さなければならないそうなので、これ一本が110pesetasならば安い物だと考えましょう。労力と時間は有り余っているのですから。
アパートに戻り、くるみはベッドに倒れ伏し、薫は早速イワシを焼いて昼ごはんにしました。くるみは昨日の残りのチキンカツを挟んでボカディージョに。買い置きのケーキ1ケ
(ブランディ漬け)にりんごの甘煮を合わせ、茉莉花茶を飲んでひと休み。
薫はベッドで寝てしまった。くるみちゃんはひとりで夕食の支度。”おれが洗い物をするから”と言ってやらないでおいた食器洗いもやった。夕飯は牛肉のトマト煮に茹でじゃがと隠元の
付け合わせ。それにチコリと茹で卵のサラダにしようかな。もくもくとラジオの音を背に準備
したのでした。相変わらず、薫は寝入ったまま。くるみは洗面所もお風呂も掃除したんだぞ。
床だってホウキできれいに掃除したんだからねーだ。支度が終わったらゆっくりしようと思っているうちに6時をまわってしまった。洗濯も急いで済ませた。
そう云えば、昨日買って来た牛スネ肉を開けてみたら、40センチくらいの長い塊のまま、
切れ目が2箇所に入っているだけだった。骨が中に1本通っているためだった。これをシチュー用にこまかく切るのは一苦労だった。出汁がたくさん出るからいいのだけど、慣れないので
扱いにくい。そういえば、シチューにベイリーフを入れたんだけど、こっちのベイリーフは
濃い緑色をしているのだ。たしか、日本ではどれも枯れ葉みたいな茶色をしていたもんで
買う時、本当にベイリーフかどうか確かめたくらいだった。この葉っぱもやはり日が経つと
茶色く枯れたような色になるのかしら。
薫が寝ぼけ顔で起きて来たので夕食にする。この頃、薫は食事を食べても何も感想を言わないので、文句を言ったら、何も言うことがないほどだ、とのたまうのだった。そんな事あるかいな。もっと探求せんとあかん。赤いVINOを飲んで、パンを食べる。薫いわく、フランスパンの方が上だそうだ。このパンは軽すぎると。一体にスペインのパンは大きさの割に軽いパンが多いようである。
食事を終え、深煎り半分混入の豆にて、CCLを作り、試飲。やっぱり格段に香ばしい。
そして今、エル・サラコの歌うコルドバ・ミアを聴きながら、くるみは日記を書き、薫は
インフォメーションでもらったハンディな地図帳を見ている。今日はよく働いたせいか、とても疲れたので、日記も雑になりました。ごめんなさい。腕もだるくアル中患者のように震えて
しまう。書きにくいよう。コルドヴァはいいなあ、フラメンコはいいなあ!薫はするどい地図やなあ、するどい地図やなあ、と叫んでいる。今日はスペイン語の勉強をして寝よう。