バルセロナのアパート2日目 1月2日 日曜

  くるみは夜明けまで書き仕事をしていたのに、薫に起こされてしまった。眠いよ。早く行かないと、店屋が閉まってしまうからと言うので、慌てて表に出ると続々と人々が歩いて来た。角にあるサッカー場で試合があるらしいのだ。横目で見遣りながら店屋を探す。

 昨日のpollo屋(鶏屋)も今日は閉じている。camelias通り並びの酒屋にて、ベーコン、ツナ缶、マヨネーズなどを仕入れる。あまり変わった献立も出来ないのだが、ニンニクとベーコンが久しぶりにコクのある味を味あわせてくれた。何もやることをせず、動かぬと何故か腹が空いてしまう性質のくるみはたらふく食べ過ぎて、ブロイラーのように膨れてしまった。

  ぼんやりと時を過ごす。今まであくせくと寸暇を惜しんで動き回って来たのに、嘘のような快適な環境。のたくたしているうちに、たちまち日が暮れた。昨夜と同じく薫が腕を奮って

雑炊を作ってくれた。今日は書類の整理をし、年賀状(住所通知)でも書こうか。