料理三昧 バルセロナの日がな 1月3日 月曜

  今晩の献立 

* sopa de mariscos

* きのこのスパゲティ

*チコリとトマトのサラダ

* シャンパン (rosado)

 

  * sopa de mariscos

材料 にんにく一片、玉ねぎ2分の1、いか(小)300グラム、トマトピューレ大さじ4杯

カップ5杯、塩、砂糖少々、ワイン、オリーブ油、パン

 

作り方 ① ニンニク、玉葱薄切りをオリーブオイルで炒める。

② よく炒まって透き通ってきたら水を注ぐ。玉葱が溶けるまで煮る。

イカを入れる。

④ 塩、少量の砂糖、ワインで調味し、トマトピューレを入れる。

⑤ パンは油でカリッと揚げておく。

⑥ あつあつのスープに揚げパンを入れて出来上がり。

 

  反省  ニンニクは少量にし、玉葱は入れなくてもよい。小さいイカは煮ても固くならぬので味出しに最初から入れる。材料はイカの他、小海老、白身魚3、4片入れるとよい。塩分は控えめに。薫談、mariscosは遠くない。くるみはセンスで嗅ぎ当てる。

 

  さて、今日は朝、薫にサバを読まれて早く起こされてしまった。眠いのに。でも、今日はやる事がたくさんあるのでした。

 

  まず、近所の高級菓子店で奮発してケーキを買い、MATAS邸を訪問。潔くケーキを食べたそうにせず、すぐ帰って来たのは少し残念でもありました。正直。チョコレートケーキで、生クリームが入っているようで旨そうでした。上にシンプルな花模様と黄色いクリームでアクセントがつけてあり、よだれがたらっと。今度は食うぞ。

 カセットレコーダーを買うつもりが、結局、ラジオも聞けて、電気、電池両用できるラジカセ、SANYO M1700を7490pesetasで買ってしまった。コーヒーメーカーも495pesetasで購入。調べてみたらどこの店もだいたい同じ値段をつけており、品物も似たり寄ったり。どおりでどこの店も客が一杯のはず。客が分散しているのは訳ありでした。

 昼食は例のシャンパン屋で。隣りのニイちゃんはグレーのスウェードのブーツにモスタッサをタラっと落としてしまいました。彼女が大急ぎで拭きましたが、ニイちゃんは酔っており、けたたましく、ケタケタ笑っていました。薫だけボカディージョ2つ、シャンパン3杯飲みました。(くるみはひとつずつ)相変らず、忙しそう。あっけなく買い物を終え、サンホセ市場にゆきましたが、果物屋をのぞいて大概はシャッターを下ろしてもう休み。

 

  仕方なく辺りを巡ったあと、スーパーマーケットシマゴやデパートをうろついて、まな板、包丁、お玉などを物色しました。今、隣では女の人がうれしそうにひひひと笑っています。うるさいな・・・台湾とフィリピンのがあったのですが、やはり暖かい国のまな板は柔らかいのが爪で押さえて分かりました。自分たちは固い方を選びました。包丁は日本製のが

コストパフォーマンス高く使いやすそうでした。ゾリンゲン、ヘンケルは1680〜2380〜2680〜とありましたが、高し。あまりに鋭く切れそうなので、指を怪我してはと止めました。

 

  午後5時前にサンホセ市場に行ったのですが、まだほとんど閉まったまま。入り口の果物屋と加工肉屋がぼちぼちと店を開けているだけで、客も時間待ちの様子。我々も立ち止まり買い物の予定を立てていたのでした。

  と、ここに突然、髪の乱れた服も着崩れた、よたって前のめりになった男が近寄ってきて、手を差し出しました。薫はいつものように、ノー!!と言うと急に男は片手を振り上げ

薫の袖を掴んだのでした。くるみはもう一方の手を見ると、男は短い(あまり鋭利ではないが)ナイフを持っていたので、危ない!と思い、人を掻き分けてあわてて逃げました。掻き分けられた人々は怪訝な顔をしてくるみを見ましたが、後ろの男を指差すと、金を地面に投げたうちに去っていったのでした。金さえ出せばおとなしい男でした。地面に落ちた金を拾って。

 この後も客のいるところに行っては金をせびり、皆、財布から金をやっていました。少し

キチガイなのかもしれませんが、金をせびりに行くこと自体正気が残っているのではないかという気がします。キチガイを装った酔っ払いなのかも知れません。とにかく、くるみはこの

一件で肝が縮み、しばらく立ち直れませんでした。

 

  市場の外周をうろつき、調味料など仕込んだのち、数少ない店で予定の品物を買い終えました。どこの店も1キロ単位の値段表示なので見当がつきにくいのは困ります。でも、そのうち慣れるでしょう。

 

  玉葱、ジャガイモ、ニンニクの3要素はうんと買い、薫がバックパックに詰めて背負いました。まるで戦後の買い出しです。忘れていたワインを買いにシマゴに戻り、白の安いのを買って来たら、薫がぶちぶち言いました。

  地下鉄は乗り換えがありましたが、Alfonso X駅からは近いので助かります。

 

  家に戻ると、2回回して掛けたはずの鍵が1回回しで空いたので、不気味に思っていると、電話機の横に訳のわからぬ紙切れが置いてあったのでした。点検かしら。ベッドメーキングはしてありませんでした。なあーんだ。すぐさま、わずかな財産?(スツールや壺)を調べたのですが異常なし。あまりロクなものがないので驚いて泥棒も逃げていったのかも知れません。

 

 部屋の電気は接触が悪いためか、花火のようにチカチカっとしか点かず、腹を空かせた子羊たちは困って狼さんのところに相談に行きました。今日の受付のお兄さんは髭もじゃで感じよく、しばらくすると、もっと愛想の良い電気屋さんが来てすぐ直してくれました。おかげで

しばらくして料理に取り掛かることが出来ました。

 カセットを聞いてみたのですが、モロッコで買った安物は、そばで聞いても、隣りの部屋から流れているような音で、自分たちで作ったテープなのではないかと思わせました。

 もう一つのは、円形市場の興奮と、モロッコ人の単純なストレートさがよく表されており、珍しいものではありました。

 コルドバ・ミアは流石に聞いて買っただけあり、結構いい。ここでお茶が冷めるので飲みます。ごくごく・・・薫はくるみの粗探しばかりして自分では何も創造的な仕事に携わろうとしないので困りもんです。えーと、今晩の夕食は先に書いた通りで、くるみシェフの担当でしたが、自分のを棚に上げて、sopa de mariscosを辛い、辛いというので、くるみは悲しい。ベッドに駆けていって泣き伏しました。全く薫はロクなことをしません。

 

  満腹、満腹。昨日、年賀状を書くつもりがだるくて眠くなったので書けず、今日書かねばなりません。でも又眠くなって来た。先ほどから眠気覚ましに、市場の肉屋で吊るされていた

ウサギやコチニージョ(子豚)の真似をしていてたいそう叱られました。本当のことなのにさ。豚は、指二本ずつ出したような手足をして並べられていました。我々が見ている時、ポロッと一本が転げました。でも、ひゃーひゃー騒いでいたのは我々だけでした。

  鶏は鶏冠の赤いのをつけたまま、吊るされているのです。私、こんなの買って来て料理するの嫌だ!明日は洗濯物を片付けて、薫のお手並みを拝見することにしようかと思います。では、またあした。 Adios!