ポルトガル、リスボンに向かう 12月12日 日曜

  8時起きして宿を出る。10時15分発のLISBOA行きに乗るため。日曜なのでどこも

店は閉まったまま。道すがら開いていたバールにてクロワッサンとカフェコンレッチェを取る。サンドウィッチ三つとバニラミルクを買って駅に向かう。交差点近くで、ボカディージョをひとつ買い足す。この中身はソーセージぺーストのようだが、明太子のようでもある。

 

  電話ボックスあたりで日本人青年にあう。唐突に、両替所ありますかあ、と早口でぶっきら棒に尋ねながら、ズボンのポケットをまさぐっているので、嫌な感じがした。薫が、1日だけなので、と言っていつになく控えめに断る。駅に着き、切符をもらったが,無料なり。

 via7というホームに行ってみると、二両だけの列車(FIAT製)が来ていたので乗り込む。

これからまた9時間の旅である。

 

  サンドウィッチを頬ばったり、うたた寝をしたりして居るうちに国境駅となる。意外ときちんとカード記入があり、パスポートにもスタンプを押してくれた。デザインは冴えない。ポルトガルのこの駅から大きな絵タイルがホームの壁面に見られるようになる。城塞や,海辺の風景画を青で写実的に描いたタイル画の大作が多く、駅ごとに異なる趣向のタイルが見られるのが楽しい。

  窓枠の形も色も何となくポルトガル的である。

雨は、スペインの延々たるオリーブ林が続くころから少しづつ降り出し、ポルトガルに入ってからは結構、車窓を斜めに横切るようになった。ものの本には、スペインの赤茶けた山、ポルトガルの緑と書いてあったが、国境近くは、樹は多いものの、ごつごつした岩だらけの山ばかりである。

 

  午後7時着のつもりが、ポルトガルは時差のため1時間遅いので、スペイン時間の8時に着くことが途中でわかった。10時間も乗っている。

  今日は日曜なので、インフォメーションも6時までしかやっていない。駅に着いたのは

午後7時過ぎであった。とりあえず、バスに乗って中心の広場まで行くことにする。両替は

駅のバンクで済ませた。ここのおばさんは流暢な映画を話し、説明の仕方も速度も実に

適切でわかりやすい。150usドルを換金。バスの停留所を聞いた時も紙に書き、それを見せればいい、と教えてくれた。まともな人はやっぱり、まともだ。

  バスに乗ったら運転手のほかに乗員がいて親切に切符を切ってくれた。皆全体に穏やかそうである。雨の中、ペンション(Pensao)を探す。地球の歩き方にあった、バス付きツインで

375というところへ行ったら、720だと言われ面食らった。本を見せると5年前の値段だと

言われた。

ここの部屋はとても広く天井にデコレーションケーキのような凸凹の模様が浮き出ている。洋服ダンスの他にロココ調の三面鏡と整理ダンスがあり、棚も充実している。なんだかマリーアントワネットの部屋のようだ。ベッドの頭の方にも浮き彫りがあり、ベッドもバネが凸凹しない。背骨に食い込むこともなさそうだ。これでポルトガルの720$(2300円)というから

やっぱりこの地は物価が安いのかも知れない。ここのお兄さんに教えてもらったレストランに行き、赤ワイン1本、スープ各一杯、焼飯(レヴァー)入り2人前を食べて腹膨れる思いにて

やっとこさ帰還。明日もここに泊まろうかなと思いつつ眠る。おしまい。