11月9日 パトラス行きの列車

  天国コース(オリンポスには向かわない楽チンコース)のため、10:30頃宿を出る。近くのcafeで、Nescafeを飲む。砂糖が多すぎて閉口。皆、朝っぱらからこんなところでダベっている。店のおっさんも、話してばかりいて仕事が遅い。

 

 

  11:55のパトラス行に乗る。途中で乗り込んで来たギリシャ人家族が隣のボックスに座る。朝食をとっていないので、腹が空きかけた頃、隣でチーズやパンを拡げ出した。ナイフを持っていないかと聞かれたので貸してあげると、チーズやパンを切っていた。今にも手を切りそう(に見える)なので、2人ともヒヤヒヤした。もう、これからは他人に貸さんとこ。お礼にか、大きなパンの塊とチーズをくれた。パンは、焼きたてのようでまだ温かく、外側はパリッとして、内は柔らかい。ギリシャのパンは蒸しパンのように粘りがある。薫が固いパンを出して続けて食べようとしたら、違う種類だと言った。主らしき男はパン屋で、そのパンは前にいた婆さんが焼いたものであることがわかった。

 

  彼は英語が少し喋れるので、ギリシャ語の文字の発音、言葉のアクセントなど教えてもらった。しばらくすると、神にアルファベットを書き、日本ではどう書くのか聞いて来たので、薫が書いてやった。しかし、言葉のシステムが全く違うことを理解しておらず、「じぇーえーぴーえーえぬ」と書いてきて、これでいいかと尋ねた。違うっちゅうに!かみさんも、子どもたち2人も我々のことを興味深そうに見ていたが、婆さんだけ平然としていた。

 

  パトラスに着いてユーレイルパス事務所に行くと、ストライキで船は出ていないという。茫然自失。

  他の便はあるようなので、大枚をはたいて、別のオフィスでチケットを買った。(ギリシャに2日いるとそれだけで12000円かかるし、日数ももったいないと思った。またユーゴを通っての陸路もこれ以上金がかかる。)

 

 

  船の出航まで1時間もない。重い荷物を背負ったまま、税関へ急ぐ。このあと、くるみが走って食料の買い出しに行き、ギリギリに戻る。船内に入ると、客はもうすでに席を占めていた。前の(往きの)船と違って半分くらい(もっと小さいように感じた)の船なので、席も少ない。

 

  船員にくるみが喰ってかかると(2等の座席を買ったのに席がない、と言ったら)自由席だから仕方がないと笑われた。著しく感覚が違う。薫は腹痛のため、元気がない。やっと席を見つけ座る。窮屈。しばらくして薫が別の広いシートを見つけてくるので移動。やっとこれで寝られる。

 

  後ろの方の席のアメリカの女子たちはぺちゃくちゃと賑やかだ。