11月2日 ナポリ晴れずーっと

  8:00すぎ、ユースの美味しいとは言えない朝食を済ませた後、同宿の日本人青年と日本人女性と共に、散策に出かける。

  昨夜嫌な思いをしたので渋っていたが、もう一泊ユースに泊まることにしてバッグを置かせてもらった。

  登山電車に乗り(ユースが使えた)陶器会館に行くが、CHIUSO。ナポリの街が一番絶景に見えるという修道院25番の部屋も同じくCHIUSO。昨日、イタリアの祝日だったので、振替の休日なのだという。したがって今日はどこへ行っても無駄なのだ。なまけもののイタリア人め。

 

  何たらいう丘からナポリの街を眺める。天気は良いのに、街全体は霞んで見える。『ナポリを見てから死ね』というそうだが、「これじゃあ死ねないよ」と薫がほざく。

 

  怪しげな階段を下りて下町へ出る。途中、イタリアの大の男が4人ほど壁にもたれて話をしており、薫のカメラを見るなり、撮ってくれとポーズをつけた。私と日本人女性(理恵さんという)も入った。彼らは、今度は送ってくれと住所まで書いてよこした。全くイタリア人には参る。気が向いたら送ろう、と薫が言った。

 

  露店がたくさん出て賑わう下町を抜け、NAPOLI大学のMENZAへ。飲み物も含め、120円の昼食。(菜っぱの煮たの、ニンジンのマリネ)、(トマト味マカロニ・バター炒めマカロニ・グリーンピース入りリゾットの中から1品)、(たこのトマト煮・牛肉のトマト煮から1品)、パン2つ、(ビール・オレンジジュース・アクアミネラル・ビノより1本)、りんご、という豪華版でたったの120円とは!たらふく食べた。この時、薫はドイツで買ったお気に入りのナイフで指を怪我した。ビールで少し酔っ払っていたのかもしれない。

 

  ナポリの下町は、高いビルに挟まれた細い道が続いている。道を挟んで窓から窓へ洗濯物が連なっているのもイタリア独特の風景だ。出ている露店は、果物屋・野菜屋・魚屋などが多いが、結構暇そうに腰かけているおばさん、おじさんも多い。毎日の糧は得られているのだろうか。不思議に思う。魚屋はさすがにイキがいい。タコなども行きたまま売っている。横街に逸れると、皮屋、電気屋も多いが、ここもまた売れていないらしい。泥棒横町ではないだろうか。

 

  駅のカフェでカプチーノ(テーブルだったので1杯180円)を飲み、5:30の列車でローマへ発つ、理恵さんを見送った。私達は、夕飯のパンやチーズ・ビノなどを買い込み、食堂で腹いっぱい飲食。ここで買った120円のビールも含め、360円の夕飯。ぶどう、りんご、ワイン付きのリッチな食事であった。