10月25日 Parisの長所

  くるみがランドリー屋に行ったが、高くて帰って来た。日本のコインランドリーのように洗濯機が5台くらい並び、上に1jetonを入れる箱がついている。しかしそのうち2台は故障。客だと思っていたひげのあごのしゃくれたおっさんは、どうも店主らしかった。どれも忙しく動いているので、洗剤を入れる箱などをひっぱったりして覗いていると、ベンチで待てという。

  しばらくきょろきょろ周りを見回しながら坐っていたが、わたしのほかに客は一人もおらず、おっさんが客に頼まれた洗濯物を洗濯しているらしく、あちこち動き回っていた。乾燥専用の機械もあった。20minutes/11.5F。できあがった。洗濯物がおっさんが取り出して、いい加減にたたんでいた。どれも汚れは取れておらず、薄汚れた色のままだった。

  気が付いて見ると、周りには汚いビニールに入ったできあがりものや、どろどろに汚れたスポーツバッグなどが置いてあった。値段を聞いたら、SAVON COMPLETで洗濯代2.3F、乾燥すると34.5Fというのを指差した。到底時間に間に合いそうになく、また高い割に汚れが落ちていないようなのでやめて、店を出た。

 

  St.Michelに出てやや南のパン屋(croissanterie)で朝食をとった。いったん宿に戻り、くるみは荷づくろい、薫はポスターの筒と瓶を返しに。ワイン屋は閉店。代わりにフランスパンを買う。メトロオデオンからゲールオーステリッツまで行き、リヨン駅まで歩いた。駅手前にて、Lait chocolateとバナナを買った。駅に着くと予約が必要だと言われ、慌ててsupplementの窓口にゆく。

 

Best in Paris

◇薫

1. フランスパン 及び Lait Chocolate

2. 細江英公

 

  人で感じのいい人にあまり会わなかった。TEEでパリを出るとき、予約のことを教えてくれたのも、おそらく英語を話す国民だった。ちなみに、クリニャンクールにうゆくメトロの中で向かいの席の黒人男女がひっきりなしにキスをしていた。何故か?

 

◇くるみ

1. 食べ物ではやっぱりフランスパンとショコラ。

 

 

  大概のフランス人はみな忙しそうで、眉間が深く刻まれた陰険な顔つきをしていた。ポンピドーもロダンもまあ、よかったが、モナ・リザはそれほどの感慨はなかった。ガラスで囲ってあるのは良くない。この博物館は階段にたくさんホコリが固まっており、砂だらけだった。

  フランスはどこも営利主義なのに、手入れが行き届いていない。イギリスと対照的だ。(まあ、道がうんこやおしっこだらけなのは、他の諸都市も大して変わりはないが。)みんな勝手に散らかして、掃除人(黒人が多い)が掃除する、というやり方だ。子どもも、行儀の悪いのが多い気がする。

  パリで我々に優しかったのは、道を譲ってくれた自動車の中のカップルと、Hotel de Balconsのお兄さん、それに少しの道を聞いた人々、そして中国人であった。

エッフェル塔は意外に綺麗な形をしていたのと、道幅が広く通っていて、突き当たりにどーんと建物がある構造は立派だと思った。

 

追記;パリの宮殿前広場では、男たちが鉄でできたビー玉遊びをしていた。直径15cm程度の鉄球を相手球めがけて片手で投げる。あたると火花が散る。彼らは、30をまわったようなおっさんが多いが、その命中率は非常に高いのに舌を巻いた。あの真剣ぶりから見て、銭をかけているのだろう。帰ろうとしたとき、自動車に乗ってまたおっさんが手に鉄球を持って仲間に加わっていった。これを目撃したのはもう手暗がりになった夕方だった。