10月20日 疲労溜まる北欧旅

KANT CENTRUMの1階は二部屋で、一部屋は生徒の教室になっている。2階は全て教室。つまり展示室は1つ。薫はよくわからぬままに少し多めに写真を撮ってしまった。

ここは、専門学校のようなもので、年齢の違う子供たちが、段階的にまとまって授業を受け、レースの編み方を教わる。丸い平たいクッションを半分に切ったようなビロードの台(直径60cmくらい)に、型紙の皮を置き、その模様に上をムシピンでさして、そこの間を糸巻にまいた糸を交させて、少しずつ編んでゆく。小さい子でも結構手慣れた様子で編んでいる子もいる。しかし、見物人を意識してか、網目がもつれて困っている子も見かけた。どっちにしろ、根気のいる仕事だ。2階の教室内の授業も見せてもらったが、上級者になると編み方も複雑でテクニックがいるらしく、手法が真似されぬよう、写真撮影は禁止だった。ここらへんになると糸巻きの数も大分増え、図案も複雑になる。日本人が珍しいのか、子供たちは私たちをそーっと盗み見る。(一度手を振ってあげたら、手を振った後真っ赤になって恥ずかしがっている女の子がいた。)私もやってみたいが難しそうだ。 

そのあと、魚市場に寄ったが、閑散としており、土産物屋・スーパーをまわって、一旦宿に戻った。スーパーでは、トイレットペーパー、V8ジュース・洗剤を買った。

薫はやや身体がだるかったのでした。晩めしは、VENEZIEに入る。MENUを迷ったが結局スパゲティを2つに1/4Vino biancoを頼む。

薫のfruit de merは、にんにく・トマト・あさりから成り、なかなか旨かった。

半分とられた。くるみのpaperonateはピーマンのことで、トマトソースの他、ピーマンと塩漬けオリーブののったひどくあっさりしたもので、著しく道を誤った。薫に半分譲った。食べながら周りを見やると、スパゲティの上にハンバーグがのったのを食べている水兵がいた。皿の上を平らげたあと、それを頼もうとするのだが、なかなか両者ともわからない。結局、いったんボーイさんには引っ込んでもらって、それを食べていた人に再度質問し、それがスパゲティの中に分類されていないことが分かった。ハンバーグが主人公になってスパゲティは添え物ということなのだろう。全ての理解はあくなき追求が深める。ちなみにここの麺もうどんだった。ぶらぶらと宿に戻る。

 

土産物のレースは、あまり安いとは言えぬものが多く、日本と似たり寄ったりの値段をつけている。種類は大きさは豊富だが、大きさや複雑さに比して値段も高い。土産に買えるようなものは、地名入りだったりで子供だましだ。あれだけの労力と時間を思うと、HAND WORKのレースの値も必ずしも高いとは言えぬが、やはり手頃ではない。

もっと洗練された模様やディスプレイの仕方で魅きつけて欲しいものだと思う。私の欲するレースのカーテンはなかった。

 

あいかわらず広場では日本人に会った。本当に日本人はかたまっている。一歩横道に入るとほとんど日本人には会わない。ここの街の佇まいは石畳とあらいレンガの壁が象徴的で、よくドイツやイギリスほど整然とした感じでなく、かといってイタリアのように雑多なかんじでもない。なにより静かなのがよかった。

 

アムスには、美術館・博物館に1年間タダで入れる(フリーパス)の券がある。国立博物館で300円にて売っている。レンブラントの家も通用した。アンネフランクの家も使えるかもしれない。オランダ全土有効。