11月30日 フェスのMedina、迷路市場ぶらつく。

  アリ地獄ベッドからは逃れたので、普通によく眠れた。シクシクの腹痛も何とかおさまる。

今日は休憩日と決めたので、10時過ぎまで、ベッドの中から出ない。

  26ディラハムの、ワンビッグベッドの部屋に移る。

  

  となりのカフェでカフェオレを飲んだが、うすし。

  曇り空のもと、メヂーナのモロッコ美術館にゆく。相変わらず、声を掛ける奴が多いので

どんな風に反応するか色々試してみることにした。

 

  一人の女の子が我々にくっついて歩いてきた時は、いったん立ち止まり、彼女が振り返るのを

見た。今度は学校の門の前で用有り気に立ち止まり、我々を待っていたが、余りに鈍いのであきらめて立ち去った。

  次にキャンバスを新聞紙に包んだ青年がガイドがどうのと話しかけてきた。無視してしばらく歩き

立ち止まると、彼が先にゆく羽目になった。時々、視界の端で捉えようと何度も首を曲げている。

  途中、我々がくぼみに凹んで様子を見ていると、居なくなったと思ったか、すたすた行ってしまった。

 

  メヂーナに入る頃から、粉を積んだ驢馬をおじさんが引くお馴染みの光景がよく見られた。

f:id:dodicidodici:20200723163508j:plain

f:id:dodicidodici:20200723163511j:plain

鉄骨を背負わされるロバ

何を売っているか分からないが、兎に角面白そうな店が細い路地にびっしりと建っている。

  途中には、香辛料をドンゴロス(麻袋)に詰めた店もあった。

 

  美術館に曲がる角で又へんなガイドが近寄って来た時には、変に可笑しくなって笑いかけてしまい、

そのあとで、でかい声で、NO,THANK YOU!と言っても気迫が足りないせいか、効き目が無かった。

立ち去ってはいったが、薫の真似を大声で連呼して馬鹿にしている風情だった。やはり、気合いを溜めていちどきに強く短く相手をはねつけ無ければならない。

何事も真剣にやらないと、言葉が生きないものだと、知る。

 

  モロッコ美術館は2時半からだったので、カフェにて絵葉書を5枚書き、待つ。薫は銀色の孔雀を

象ったティーポットを見て頼むと、ミント茶砂糖入りが来た。少し甘いがまずまず。客はこのティーか、カフェ・オ・レ。ティーポットを開けると、茶色い葉っぱに混じって緑色の大きな葉っぱが味噌汁のワカメのようにたくさん入っていた。開館時間に出向くと、食べ残しを2、3のビニール袋に詰めた乞食のような爺さんが我々を見とがめて、かなり強くダメだという仕草をする。

  空いているのにおかしいと思ったが、奥で聞くと確かに休みだった。

ロッコ皮らしきもので製本している爺さんと、出来上がりの本、タバコ入れ、カバンを見た末

帰る。鞄は、8000円くらい。

  雨が強いため、少し奥まで行ってからホテルに引き返す。

 

  2人連れの青年が又ついてくる。道路を右左に蛇行してもついてくる。こちらが笑うと、

向こうも頭巾の中で顔を斜めにして笑う。

いい加減に終止符を打つ為、ある程度近づけてから、いきなり止まりひとりの男の眼の前に顔を寄せて、何や、、、というと、横の男と目をパチクリさせながら、引き返していった。

この、何や、という言葉は色んな場所で効果を発揮している。ただのお断りではない人を圧迫する空気があるのかもしれない。

 

  郵便局に立ち寄る。ここに居たモロッコの女学生によると、マラケシュは尚寒いという。

手紙一通につき、1、4ディラハム。一旦、宿に戻り休息ののち、la kasubahにて夕食。

スープにラムステーキ、ソーセージを食べ、カフェ・オ・レを飲んだが、どれも旨かった。

トマトソースに入っている香辛料を聞きたかったが、残念ながら、らちが明かなかった。

ソーセージは本物で美味。ラムステーキは骨付きでカリッと焼けており、肉柔らかく、脂と赤身の割合が丁度いい。香辛料を振りかけて焼いているのか否か分からないが、臭みが全く無く旨い。ここの料理は、おそらくフランスの血が混じったマスターひとりでせわしなく作っている。

  玉ねぎを切った包丁でそのままハンバーグをひっくり返した。

ウールボア、ムッシューとすこぶる愛想良く、気持ちよく店を出た。

追記。スープは別のところにあると言ったが、別のメニューの意か、別の店の意か。トマト味のスープはフランス的に調理されたものと思うが。長さ違いのマカロニ的ショートパスタや、木ノ実が混じり

パセリも入っている。これは中型のどんぶりに一杯入って出てくる。2、5ディラハム。

 

  宿に戻り、サミーデイヴィスジュニア似の受付のにいちゃんに、トンガリ頭コートはいくらかと

聞くと、100〜200ディラハムと答えた。

f:id:dodicidodici:20200723163736j:plain

サミーデイヴィスジュニア似の兄ちゃん

良いのはマラケシュで買えるそうだ。そばに居た彼の友達が

そのコートを俺に試着させてくれた。何とそのサンタナ似の友達は、コートを脱ぐと、下に背広を着ていた。着てみると、肩が凝らず、非常にあったかい。

冬のガウンにはいいかもしれない。

早めにベッドで休息。いや11時だった。明日は再度、Museeと路地の店屋へ。

マラケシュでは、オフィシャルガイドをつけようかな。

f:id:dodicidodici:20200723163857j:plain

車窓の風景