7時半朝食。コーヒー、丸パンふたつ、ソーセージペースト、バター、プラムジャム、袋入り粉ミルク(珈琲用)、乾パン2枚。
ソーセージペーストはうまくないので残した。身を守るため。パン、珈琲はまずまず。
パンは皆、ナイフでふたつに割って食べている。中央部に柔らかいところにナイフを
ブスリと刺し込んで先を支点に取っ手で円を描くように切っている。そうすると、
うまく切れるようだ。
起きたときには、Bad weather, it,s rains.とアメリカ人に言われたが、ホステルを出る頃には雨は上がって居た。
駅前でおばさんにスーパーマーケット、super marktを教えてもらう。歩いて7分COOPがあった。銀行がないので、くるみが駅に戻り、200 USドルを、DMドイッチェマルク
に換金した。手数料は、100ドルでも200ドルでも変わらないのが不思議だ。
5DM(500円)。交換レートは、1ドルが2、51DM.
ちなみに日本で1USドルを265円で買った。間違いなし。
買ったものと、その後の感想。
駅の軽食屋でシュニッツエルらしき物を3DM,300円くらいで買う。案の定、冷えた
トンカツであった。
黒パン、Schwarzbrot 500グラム、中に麦粒の様なものが混入しており、ほとんど味がなく、しかし酸っぱい。これは本当にこのまま食べるのだろうか。レバーペーストを
付けても食べること困難。
ミルク milch 1リットル 1、1DM。日本のと遜色なし、しかし安い、むむ。
ハム 100グラム 2、98DM。まあまあ、しかし我々には高し。
プラム 1キロ 2、78DM 割合でいうと、五個あれば三個が味なく、一つは酸っぱく一つは甘いという割合。
くるみがブドウと間違えて買う。果皮の色濃く、ハリのあるものが甘くうまい。薄いものは酸っぱく、中間のは味がない。
ひとりで30個近く食べると、お腹が貼る。プラムの大きさ、高さ2〜3センチ、胴回り4
センチほど。
これらをHamburg発、Frankfurt行きの車中にて食す。この列車でうっかり一等車に乗ったが、これまでに乗った中で最も設備がゴージャスである。
コンパートメントの座席頭部には頭当てとは別に、袋状の枕が紐で吊るされている。
これが心地よい。今はハノーヴァーから30分のところを走っているが、なかなか景観が
良い。土地の起伏が美しく、河がたゆたい、変化がある。
列車の便所は一見大理石風の張板がなされており、ゆったりとして手洗いも清潔。
便座はすっきりとしたコバルトブルー。
相変わらず、薫は鼻ばかりかんでいる。
コンパートメントの座席は、向かいの席との対で、ワンセットのベッドになる。
尻を乗せる辺りを中央空間まで引き出すと背もたれが下がり、ひと続きのソファベッドになるのだ。
頭当ては多少上下可能で、一定以上降ろすと固定位置からはづれ、二本の紐で
吊るされたまま、ちょうどベッドの頭の位置に下がることになる。
勿論、頭を受ける羽毛入りの小ざぶとん状のも装着されたままである。
この上に薫が寝ると、身体は伸ばしたまま、首は枕へ、足はざぶとんが受け止める。足先は、ソファの端まで届かないので、自由にもぞもぞ出来る。
灰深緑色をしたソファは表面も上品であるが、寝てもやわらか過ぎず、とても心地よい。これなら、数泊しても余り気にならぬ気がする。
最初にケルンから乗ったドイツの列車とは随分違うが、これも同じDB
である。
難癖をつければ、どんなものでも難癖はつけられるものだが、頭上の荷物置き棚のデザインは少々無骨さが見られ、そこがケルン発列車との共通項である。
フランクフルトが終点だと思ってると、いつの間にかフランクフルトに着いており、終点ではなかったので、慌てて降りた。
フランクフルトの駅はドイツにしては無骨さが豪華さで隠されている。
ホームには実に様々な店が軒を連ねている。
三流映画館、ビヤホール多数、書店、パイプ屋、チョコレート屋、下卑た土産物屋、パン屋など。花屋まであった。
ビヤホールで一杯ひっかけて列車に乗るまで1分とかからない。
これらのビヤホールは、店内に店を持つだけでなく、ホームの方へいくらか
せり出したテラスになっている。
そこで大勢の中年男子がビールを水のように呑んで居た。
駅構内の店は立ち飲みたち喰いがほとんどである。
どんな紳士もここでは立ったままナイフとフォークを使う。
立ち食い立ち飲みが卑しいものではないのだ。
そう言えば、はじめさんと入ったやや高級げなステーキハウスでも、
店内の席が空いているのに立ったままの人が多かった。
店内、テラス、立ち食いと、段階的に値段が違うためか。ちなみにビール代は日本の
珈琲代くらいである。
18;11フランクフルト発の列車でMainzに行く。
ホテルインフォメーションでは、ツインで6000円以上しかなく希望のツインで5000円
以下のホテルは紹介してもらえなかった。インフォメーションを名乗る割りには料簡が
狭い。もう一つ、列車駅にあるインフォメーションにくるみ一人でゆき、助けを求め
ホテルの場所を教えてもらう。宿は駅から1〜2分のところにあった。くるみは話しかけてからノートを出してドイツ語を棒読みする。なんとか意は通じた。
53DM、朝食バス付きツインベッドルーム。この近さでこの待遇なら、まず良し。
シャワーでなくバスである点に注目。部屋の中は豊かとは言えないが、よく気が使ってある。照明四箇所、洋服ダンス鍵付き。布団はあったかい。枕は羽根である。
宿の親父にくるみが、cheap and delicious restaurant を教えてもらう。
宿から20メートルほど坂を上った曲がり角にあった。
german and italian restaurantらしい。
一歩足を踏み入れると、高そうなレストランである。各テーブルに本当のロウソクが灯っている。すたすたとボーイのところまで行くと二人掛けのテーブルを示された。
ラザーニャとスパゲティアラボンゴレを頼む。
このレストランの工夫は、扉を入ったところに開閉可能のガラスショーケースを
配置しその中に大皿で料理を見せ、注文できるようになっている。
他の客がボーイにあれこれ言うのを見て旨そうに見えたので、くるみも
見に行くことにした。
値段を聞いて、でっかいピーマンにチーズが入ったもの、でっかい茄子がトマトソースで煮込まれたもの、及びレタス一枚トマト一切れ。タコとイカの揚げ物、海老の
オリーブ漬け(にんにく唐辛子)を頼む。ビールも一杯頼む。合計 32、6DM,
サービス税含む。
ビールはピルズナーだが、昨日の方が大分うまく、今日のはアルコール度が
低すぎる気がした。タコドレはよく身が締まっており中々、旨い。
茄子トマトも結構旨いが、ほんのちょっと塩辛い。ピーマンチーズもほぼ同様なり。
もう少し油っぽさと塩分を日本では抑える必要があろう。
トマトとレタスのみはまずい。
こういう料理は油の質が良くないと、様にならない。
ラザーニャは麺がソースとサンドになってくるのではなく、菱形の台地上に集まって、周辺をソースが埋める形。かなり旨い。
スパゲッティは、浅利が小さく少ないが、トマトソースとオリーブ油の味が良く
パセリもふんだんに散らしてあって旨い。にんにくも良く効いている。
ボーイさんも親切。こちらのレストランは食後こちらの感想を聞くのが習慣に
なっているのだろうか?Lubeckでもここでも聞かれた。
帰りにマクドナルドでLEMONADEを頼むと、Sprite or Fanta?と聞かれた。
LEMONADEは、レモネードの事と思ったが、どうもシュワシュワするものの総称
として使われているようだ。1、3DM。
くるみは久し振りに、2日ぶりだが、バスタブに浸かり垢を落としたので
気持ちいい。薫も身体を拭いた。こんなに使って53DMなら、イギリスより
ずっと安い。流石に洗濯する元気はなく、今度まとめて洗おうと思う。
英語の通じぬドイツで少しでも動きを取りやすいように、必要語句を
拾い集めてノートを作ろうと思う。では、Gute Nacht !