マタスの主人と再会 2月16日水曜日

  薫の言いつけで、くるみ、パンを買いにゆく。時9:30。パン屋ではいつもの3人娘が売り子になっていた。くるみがパンを頼んでいる最中、そのうちの一人がもう一人の頭に紙吹雪を散らしたので、彼女の髪についてしまったりした。店に足を踏み込んだ途端のいい匂いの正体は、揚げドーナツであった。今日は珍しく朝から菓子パン類も豊富だ。あまり美味しそうな匂いをさせているのでいくら?と聞き、「200」と言った。そうしたら売り子嬢は「200pts?200g?」と聞いた。もちろん200g。長太パン1本とドーナツの袋を抱えて帰る。

 

  あいかわらず受付のおっさんは仕事に忙しそうである。CCLとジャム付きトーストを3枚と1杯ずつ食し、ドーナツは途中であ食べるためにいくつか持って出る。まずmetroBarcelonataMATASへゆく。久しぶりなので、少し気恥ずかしい思いでベルを押し、待っていると、すぐにドアが開いて、いつもと同じようにおっさんが顔を出した。一瞬驚いた風だったが、すぐに「久しぶり、元気か」というように握手を求めた。薫が写真を撮らせて欲しいというと、おっさんは言われたとおりにライティングデスクに横になって腰掛け、毅然とした顔つきで構えた。薫が仲々シャッターを押さないので、ぎこちない仕草で、机の上にある小物をようもないのにいじったりしていた。もう何枚か撮るのかと思っていたのに、客が出て来たりして、少し忙しそうな様子なので、別れを言って部屋を出た。別れ際に、Hotel(の住み心地)はどうか、とか、またバルセロナで会いたいと言った。思いの外、我々の訪問を喜んでいたように思った。

 

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  あちこちの店を覗き、パエージャ用の鍋を見る。以前見たときはあちらこちらに安く置いていたように思ったのだが、よく見ると意外に正統派パエージャ鍋は少ない。前見た緑色の把手のは30cm(4人位)220pts,オレンジ色で内側テフロン加工のは665pts~。前者は安くてよいが、把手のつき方が少し安直で、取れる恐れあり。後者はデザインに難。周囲が斜めになっていないので、使い勝手が良くなさそうだし。どうせだから、壊れたら嫌だから、いいのを買って帰ろうということに話が決まり、結局何も買わずにシャンパン屋でロサードだけ飲んで立ち去る。薫は何故か通りの写真を一生懸命パチリパチリ撮っていたと思ったら、ヒターノの人たちを撮っていたそうな。でも近くで撮って、取り囲まれたら怖いので、ずいぶんと遠くから撮っていたらしい。今日はヒターノの女性達は皆毛皮のコートを着て、時計やブレスの隠れ売りをしていた。いつもはうすいブラウスにカーディガン、汚れた前掛けじめなのに、どうしたのだろうか。もしかしたら、我々が案ずるより彼女達は裕福なのではなかろうか。

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  シウダデラ動物園は次回に回すことにして、パエージャ鍋を買いに、El Corte方面へ向かう。途中の金物屋でも見たが、960ptsと高くて、把手の留めもしっかりしてテフロン加工のがあったが、把手他デザインはあまりよくなくやめた。たまたま見つけた額屋では、絵の額ばかりだったが、タイルを持っていけば、作ってくれそうでもあった。次回に。ここの兄ちゃんは愛想が悪そうでいて、最後ににかっと笑ったりして、どっちなんだかわからない。とにかく他の店では皆「ない」と断られたので、1つだけでも目当てができてよかった。Galerias Preciadosでは只今Rebajas中で、パエージャ鍋はマタス付近より安くなっていた。たった2つしかない、たぶんステンレス製の立派な鍋を2つとも買う。11250ptsと高し。お姉ちゃんへの土産、予想外に高くなってしまったけど、仕方ない。ここの女店員には「同じ他のはないか」と聞いたのだけれど、調べ方も実に乱暴で、鍋をばんばんがちゃがちゃ言わせながら積み上げるので見ている方がハラハラした。どうりでいろいろなものが壊れる訳だ。ただでさえ壊れやすいのに。あと、お玉を見たがいいのなく、ナイフとフォーク()を薫分1セット購入。あのワイン開けはやはりなかった。シャンパン屋のグラスが悔しいことに192ptsで売っていた。我々が買ったのが1100ptsだから5つで40pts(92)違うわけだ。残念。

 

  今度から買い物はEl Corteでなく、Preciadosに限る。この間、DiagonalEl Corteのインド展を見たので、序でにここのJapan展をのぞいてみた。ショーケースで見た限りでは、どうも二流の土産物的子供騙ししか来ていないようだったが、意外なことに流行っているようだった。皆2つか3つの袋を提げて帰ってゆく。品物は着物(風、と言いたいが)、ポット、水筒、おもちゃ、うちわ、ハンカチ、スカーフ、化粧箱、他ステレオテレビ等の電化製品。ふうん。一度帰りかけたが、トニービダルへの色紙とペンを買い忘れたので、El Corteにて買う。もう2時を過ぎているのでどの店も店閉まいしていた。アパートに戻り、カレーと野菜炒めを温め直してパンと一緒に食べる。

 

  夕方、papeleriaに紙を買いに行った帰りに受付のジョルディの写真を撮り、パコデルシアのカセットのことも聞く。どれが1番好きか。他にはいつものように女の子二人がいて、1人は上下を白でまとめたパンツ姿にブーツという出で立ち、顔は細面で色の濃い目の化粧をしている。彼女は英語で何かとくるみに話しかけてきた。英語が達者なのは、スイスに3ヶ月、イギリスに1年いたため、という。この間料理用の単語の意味を教えてくれたのも彼女だったらしい。もう一人は金髪をぼさぼさの感じに垂らした少し男勝りの感じのする女の子。薫が二度目にカメラを向けたときは逃げてしまった。写真は苦手らしい。フラメンコについて知り得たことは以下の通り。

  • パコデルシアの曲の中では、entre dos aguas がよし。
  • ロス・チチョスは結構良い。
  • カマロンはあまり好かない。
  • 名を忘れたが、パコデルシアの赤い表紙のがよかった。という、漠然としたものだった。テープ4つ(うち1つ中身なし)を貸してくれて、どれか好きなのをあげるというので、礼を言って別れた。

 

  しかし部屋に帰って聞いてみると、どれも録音が不明瞭で、中には風呂場で宴会しているようなのもあり、まいった。ところどころテープが伸びていたり、きゅるきゅるっとなったりしてひやひや。どうもエルサラコでなくても、Barで買うようなテープは皆おかしいようだ。そしてそれが当たり前であるようなのでびっくりする。

夕食はsopa de ajoと牛肉のピメントン漬、残りの野菜炒め。

  • sopa de ajo はピメントン少々多くぴりぴりと辛し。味はまずまず。
  • 牛肉のピメントン漬は、シンプルな味。もう少しひねりたいものだ。やはり辛し。
  • 野菜炒め、昼に同じ。

後、Toni Vidal宛の色紙にかかる。

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白い厚手の画用紙のような紙を二つに折り、見開きにして書いた。

Vinoを飲み過ぎたため、プレゼントの鶴も折れず、二人ともあえなくダウン。

 

 

追記〉

昼間、薫が受付のおっさんの写真を撮るために、階下へ降りていくと、おっさんがヌード写真入りの雑誌をめくっていたそうな。おっさんがバツが悪かったかもしれないが、薫もせっかくおっさんの年の割りに毅然としたところを撮ろうとしていたので、残念がっていた。再度挑戦するつもり。