市場・料理 ・市場 2月8日火曜日

  曇りでやや寒し。昼下がりから雨。時に雷が鳴る。

 

  朝食はパンがないため、CCLに残りの茹でたカリフラワー、オムレツ モロッコソースかけ。少し気色悪い食事だった。これはカリフラワーが犯人だが。今日と、旅行の弁当を作る食物を買いに、公設市場にゆく。

 

  いつものように売り切れてはいけないと、魚介売り場にいの一番に行ったが、なんとなく活気がない。よく、いかを買う店も今日は売り台に帆布をかけて、売り場を半分に縮小していた。よくうろついて見てみると、表面が乾いたり、あまり元気のない、イカ、タコ、魚が多い。はっきりはしないが、不漁だったか、仕入れの関係かで良いものを置けなかったのではないかと考えた。結局、目当てのイカ一体に古市で買わず。そういえば、大きなSepine(体長約30cm前後)と墨を抜いて洗ったようなCalamaresを置いている店はあったが、欲しかった5~10cmの小さなSepiaや小さな5cm以内のCalamaresはあまり置いていないようだった。

 

  その足で、アメリカの男優のような骨格の太い体躯をしたおっさんと奥さんでやる肉屋にゆき、Terneza picado 400gを買う。肉をいじった手で、お金(1duro)を掴んでよこしたので、デューロ硬貨はミンチ肉がついたまま、こちらに引き渡されたのだった。

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アメリカの男優のような肉屋の主人


 

  ここの市場では、しょっちゅう、ヒターノスの女性がにんにくをカゴに入れて売り歩いている。ガニ股で、右斜め前、左斜め前と足を出して、相撲取りのようにおなかをつき出し気味にして、行き来している。くるみによると、そのにんにくは125ptsと普通の店より5pts高いので買う気にならないのだということだった。思うに、どうしてもう少し勝算のありそうなものを売らないのだろうか。誰かリーダーが頭を使って、良い商売を考案すればいいものを。大概の客(おそらく全ての客)は、ヒターノスの女性がにんにくを差し出しても、断っている。にんにくは家で作っていて元手なしということなのか。(ヒターノスの家らしきあばら屋は、草葺の屋根に石を積んで風邪で飛ぶのを避け、周りの柵の内側には小さな畑がある。)

 

  キリがないな。これはいいとして、今日はヒターノスの男性と思しき人が(数人)ヒターノスの女性数人の中に混じって歩いていた。急に、臓物屋の前で、大声で笑い出したので、何かと思った。男性軍登場かとも考えたが、あまりそういう気配は感じられなかった。ヒターノスでない人相の成年男子で、日本の押し売りが売るようなゴム紐の類を売り歩いている人もいる。

 

  最後に、キャベツをいくつかに切り分けたのを買って帰る。Colがキャベツだと思っていたが、どうもRepollaが正しいようだ。

 

  帰り際、坂下の乾物屋でベーコンやフランクフルトなどを買ったが、サルチチョン・フランクフルトがうまく通じず、店員が笑ったり、変な顔をしていた。どうも、袋(パケテ)入りとはっきり行った方がいいようだった。

アパートに帰るとヒゲのやり手おじさんがぴしっと背広で身を固め、一人の男とフロントの前の暗闇に立っていた。階段を上りかけると声をかけるに、この辺りは停電になったという。なるほど、部屋に帰っても、電熱台が使えないので、昼食を作れない。しょうがないと、あれはベッドに転がって通りを眺め、くるみは暗いダイニングで、ひっそりと人参剥きをやっていた。

 

  窓とダイニングの間は、すだれの間仕切りがある。通りでは、困ったなあという様子で、材木屋さんらしき人が所在なげに立っていた。通りを隔てた向かいのパーマ屋でも、恐らく急な停電に困っているらしく、盛んに外を見やっていた。どうも、客は散髪椅子に座ったままになっているらしかった。

  しばらくして、停電が直り、パッとライトがついた。遠足用のハンバーグをはじめとして、Sopa de Fideos改良版、カリフラワー、人参のゆでものを作り、食す。くるみの担当。Sopaは昨日作ったのに、フィデオスを多量に追加して煮込んだもの。人参はだいぶ年老いてしなびかけ、煮るに時間を要し、それでも余り、うまくはなかった。

食後、スペイン語とにらめっこしていて、何だが暗いなあと思って、窓の外をみると、結構雨が斜めになって降っているではないか。もう夕方のような暗さだった。降った跡はこの間見たが、まともに雨が降るのをみるのは、バルセロナでは初めてじゃないかと思う。随分、珍しいことがあるものだ。天変地異かいな。おかしなことでもなければいいが、と念じる。悪い天候には最近馴れていないのに、暗い空模様で雨が斜めに降り、その上、しばらく後には雷が轟いたので驚いた。どうも(他の)スペイン住民もそうらしく、通り向かいのビルのあちこちの窓には人の顔がいくつも貼りついていた。一応、傘の準備はあるのか、道行く人は黒いコウモリをさして歩いたりしていた。

 

  俺はスペイン語にくたびれ、腹も減ってきたので、コックになって、タジャリン(パスタの類、平たい)処理にあたる。ふにゃとなるパスタの性格なので、ソース焼きそばにする。道具立てがいつもより少ないのは明日遠足に行く予定なので、極力材料を残さず、平らげようとしているためである。ただ明日雨だと延期するつもり。

 

  キャベツ・玉ねぎ・ゆでた人参・ハンバーグ小2(バラして使用)・タジャリン・塩胡椒・ソースが材料。

ハンバーグはつなぎに止められているので、なかなかバラけずに困った。野菜を入れて、共に炒め、茹でたタジャリンを入れるという寸法。やはり、タジャリンはフライパンにくっつき、焦げつきやすい。パンから溢れるので、2回に分けて調理し、平らげてから、チビエビのプランチャ(炒めもの)GAMBA A LA PLANCHAをやる。にんにくをあらかじめ炒め、そこにエビを放り込み、塩少し降り、皿に盛ってからパセリを振った。結構うまいのは、オリーブ油の功績也。この後、だだくずれで、vinobrandy2人して飲み続け、いつになく延々と話し続けた。少しPICASSOの俺流見方コーチした他は、くだらぬ話ばかりなり。何となく、口が緩むような気分だったわけだ。2時か3時頃、ぱったりと寝る。この時、未だ雨が降り続いていたので、また朝早く出られそうにないので、一応明日の遠足を1日延期することに決定。

 

 追記;

坂下の乾物屋はすぐ近くのスルドスーパーと同じ名前で、BLASCOという。どうも、スーパーの一部門として出店しているらしい。なるほど、乾物屋とスーパーで同じ値段のがあったわけだ。(桃缶) この2軒は近所で圧倒的に客を集めている。乾物屋など、客が店内からはみ出し、歩道に立って、Quien es ultima?(ケネス・ウルティマ)などと聞いたりしている。