バルセロナ市場の海産物 1月29日

  喧嘩疲れで寝坊。10:30に起きて朝食。今朝は薫がせっせとたち働いて朝食の準備をしているので、くるみもパン焼きを手伝ったら、「あーーー、洗い物やる人がいなくなっちゃうー」と叫んだ。桃ジャムが足りない上、パンがパサついている為、とてもかすかすした食事であった。薫の提案により再度CCLを。今日は市場へ買い出しに行く日。受付のメガネ無愛想兄ちゃんが珍しく「Hola!」と言った。

 

   市場ではMariscoごはんのためにエビとイカを買った。エビは1kg当たり1600ptsと高い。これは大正エビ(13cmくらい)であるが、他にもはさみつきエビ、大エビ、殻の固そうなの、桜色したのなどなど、ここの店では色々な種類を置いている。どうもエビ屋さんはその他沢蟹や貝(牡蠣、はまぐり、あさり、マテ貝、巻き貝、かたつむり)など殻のあるもののみを扱っている気配。

 

  イカは違う店でカラマワリを買おうと思って見ていたら、Sepiaと書いて丸く太っていかにも墨をたくさん持っていそうなのがいたので、「300g!」と言ってもらった。前のおばさんは洗ってもらい、胴体と足を別々にして包んでもらったが、我々は余ったらイカの墨煮にしたいので、「no limpio」と言い、薫が「en su tinto」と付け加え、そのままもらった。ころころとしたのが4つ来た。

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  あと、貝ではあさりに似たのをこの間のムール屋さんで200g。人が混み合っているcordero屋さんはやめて、他の店へ行ったが、どうも皆cordero屋でもビーフを食っている様子だ。一生懸命探してもcorderoと書いた値札が見つからない。仕方ないので、「cordero 300g para bistec」と言ったら通じた。値札には、lechelとあった。AGUTでもcordero lechel asado…などと書いてあったけれど、corderolechelなのかなあ。疑問。

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   オレンジはオレンジ屋さんにて50/kgのを。ここでも、それから向かいのオレンジ屋さんでも、山盛りに積んだオレンジの中から客が自分自身で風呂桶のような安手のプラスチック桶に取るのである。この方式は仲々おもしろい。変なのを選んだらそれは自分の責任だし、皮が厚いの薄いの、大きいの小さいのなど好みに応じて選べるのもよいではないか。店には太った頑丈そうなおばちゃんが一人、腕組みなぞしながら客が盗んでいきはしないか、と睨みをきかせている。風呂桶に取った56個のみかん、いやオレンジをおばちゃんに渡すと、おばちゃんはそれをごろごろっと量りの上に出し、目方を量って「¡60pts!」と言った。くるみが金を渡すと、その桶にまたオレンジを入れ、桶ごと渡すのであった。客は自分で自分の手提げ袋に入れて帰るのだ。我々がよく行くじゃがいも屋さんでもそうだけれど、こういうのは余計な袋代がかからなくて安上がりだ。人はただ立っていればよいのだから。

 

  帰りにオリーブ屋さんで150/kg picanteのオリーブを買い、アパートに向かう。途中、モロッコでよく見かけ、またスペインでも皆結構使っている、いかにも安っぽそうなナイロン網で出来た金属の取っ手付き買い物バッグを175ptsにて購入。薫が喜んで提げて帰った。

 

  昼食は残りのハンバーグをen salsa de tomateにし、2つをパンに挟み、2つをスパゲティにかけて食す。食後にだいぶ干からびて来たばあちゃんオレンジ2つを摂って終える。

 

  薫洗い物片付け、くるみ日記書きのうちに日が暮れかけ、二人でVino、パンを買いに行こうとする時分には、向かいのパーマ屋さんも閉まっていた。まずいぞ、これは。案の定パン屋さんもシャッターを下ろしていた。

Vino屋さんは嬉しいことに開いていたので、ここの近眼おばさんの厚意により、いくつも味見させてもらった。Tintoblanco40ptsからあり、高いのでは120~240があったが(上の方の樽)、これはシェリー酒らしく、あめ色をしていた。コニャックも220ptsであり、瓶詰のものより安いが、薄味だ、と薫は後から言った。これは、コストパフォーマンスで合格したので買って帰る。また、blanco55pts(1L当り)も4L瓶に入れてもらった。薫の見るところでは、どうも55ptsのが1番コストパフォーマンスでいけば良いらしい。45あたりのは少し怪しい。この店は主に安物屋さんで、酒飲みが買いに来るようであった。我々が買っている時もひとりの顔の赤いおっさんが空の4L()2つ提げて買いに来ていた。我々が質問すると、嬉しそうな顔をして教えてくれた。

 

  アパートに戻り、夕食の準備。Sepiaの墨煮はくるみの担当。袋から出したら左の絵のようなまるまっちいイカが奇妙な格好で出てきて面白かったので写した。

 

  薫は写真を撮る。スペインでは丸っこいイカsepiaというらしい。とんがったのはCalamari。このイカ、じっと見ると、目のついたあたりがE.T.のようで不気味。骨を抜いたら、白い綺麗な貝のごときものが出て来てまたまたびっくり。このsepiasepiaは真っ黒で、水で薄めても全然透明にならず、ただただ黒い。これをいつものようにニンニク3かけみじん切りとともにオリーブ油、白vinoを加えて煮たら、本当に「自分の墨の中にいるイカ」という感じであった。途中で思い付いて赤唐辛子を加えた。墨のくどい匂いがする。薫はこの後、Arroz de mariscoに取り掛かり、無事できあがり、食す。また、例の英訳本を見てやったのだが、これはパエーリャの魚介版、トマト味というところで、あっさりしていて仲々に美味。

  くるみはスープの多い増嵩風のが好きだが、これも仲々いける。エビは新鮮で殻をとって食すと、寿司ダネのエビのように身が引き締まっていて美味しい。あさりに似た貝はやはりあさりであったようであるが、身がちいこく貝殻の中にご飯粒がつまるので結構厄介である。実質本位で行けば貝を煮たとき殻は外し、身と煮汁に入れればよいのでは、とも思う。買ってきた白vinoはこの間よりも甘さが強いが、しかし辛口。さすがにL当り15ptsほど高いだけあって(大したこと、ないか。)少しアルコールは強いような感じも。くるみはお腹がすいていたので、これでもまだ足りず、薫にspagetti alli oliをリクエスト。今出来上がって来た。さあ食べよう。

  アリオリを食べ終え、今白vinoを飲みながら、イカの墨煮を食べている薫は、口の周りを真っ黒にしている。本当にするどい黒さだ。これもイカが新しいからできるので、日本でも新しいイカなら可能だ。

《今晩の献立》

  • Arroz de mariseos
  • Sepia en su tinta
  • Arroz de mariscos

材料〉大正エビ5/セピア3/4/あさり200g/玉ねぎ小2/にんにく極小含め5~6/白ビノ

    パセリ1本分/1.2/レモン1/塩コショー

    オリーブ油、トマト水煮すりつぶしコップ1220ml

作り方〉①海産物を浸るくらいの水で煮る。ここに白vinoを入れる。

      若干の塩(海産物は水が煮立ってから)

     ②煮立ったら海産物を皿に移し、煮汁はとろ火で温めておく。

     ③野菜類みじん切りをオリーブオイルで軽く炒める。そこにトマト缶を入れ煮る。

     ④よく混ぜてレモンを加える。(こげ防止)さらに米を入れ軽く炒め、十分に混ぜる。

     ⑤熱い煮汁にレモンを加えた上、炒めた④を加え、強火で10分近く煮る。

      このときに塩コショーで調味。よく動かし、こげつかぬよう。

反省〉少し材料の持ち味を考えて薄味にしたが、特に大きな難はなかった。薫の好みでは、

もう少し塩を。コショーは大きく3振りで多めかと思ったが、それでトマトが引き締まるところがある。だらぁーっとしたあっさり味になりすぎないように注意することが最大のポイントではなかろうか。意外にパセリなども薬味として役割多し。

 

  • Sepia en su tinta

  材料〉中くらいのSepia 3 1/4杯 オリーブ油、ニンニク3

  作り方〉いつもと同様(ニンニクイカ・墨ワイン)