casa vicens by Gaudi 1月27日木曜日

 ジャムつきマーガリンつきパンに、カフェ・コン・レッチェの朝食をとって、昼の予定を繰り上げて、CASA VICENSにゆくことにした。カメリエスの一本南の細い通りを歩いてゆく。大分いったところに、JAMON専門(サラマンカ)の店があり、店内中JAMON CERRANOが吊るしてあった。VICENSの手前、GRAN DE GRACIA(MEJOR)の通りは狭いわりに交通量が多く、排気ガスがすごくて閉口した。地味なCAROLINAS通りをゆくと、右手にガウディ風陶板を貼った家が見えた。門の中側をおばさんが掃除していたが、とても入れてくれそうな気配でなかった。PUBLIC OPENしていない私邸のためか知らないが、壁面などに埃が積もっている様子で、光が鈍く反射していた。それで、全体にくすんだ印象を与える。CASAの見える別地点を探したが、ありそうになく、引き返す。

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casa vicens と思う

  行きの道と平行した3~4本南の道をゆく。DALT通りにぶつかったところに、450ptsでイタリア製カプチーノメーカーを売っていた。最も安いが、質は知れない。イタリア製は取っ手が細く、波打っており、胴体の面がより少なく構成されている( 少面体)のが特徴のようだ。取っ手は細くても丈夫であれば、イタリア製の方が持ちやすく、やけどをしにくい。胴体の面はどうして、スペインよりイタリアの方が少ないのだろうか。イタリアの方がエスプレッソでは本場だから、何かいわくがあるのかもしれない。途中、スーパーマーケットで各種買い物。思い切って、355ptsの赤Vinoも買った。これは相当高い代物だ。細い針金で瓶が包まれ、ラベルには色んなコンテスト(フランスでも!)で入賞しましたよう!というように、メダルなどがいくつも印刷されている。

  

 帰ってすぐ、昼食の準備に取り掛かる。まず、キャベツ処理のため、くるみ得意のソーセージサラダ2皿を作る。あと、ステーキとスープ、主役は高価なVino。ステーキはにんにく、しょうゆ、レモン、パセリのソースで。ソーセージサラダは酢と油がなじんだころ、食べるのがいいようだ。その意味で作り置きに適している。スープは牛スネ肉少し、パセリ、セロリ、人参、玉ねぎを入れ、塩味でまとめた。

 さて、Vinoは前にも味わった薄いバター味がしたが、よく練れており、詩人薫には鏡のように張った湖から飲み干すような気がしたものだった。フッフッ。

 まあ辛口の部類だが、それほどではなく、Baroloほど強い感じも受けない。薄いバターのような何かの味と、液体が相互につながっているような熟した感じが特徴である。いつもの安vinoはあっさりと旨いがやはり「水分」という気がするが、これは水分が何かと混ざって何か別なもの(something else)に変わってしまったようだ。あっと、それに、保存がきくように、コルクがいつものより長く、抜くのに難儀した。とどめに、250gほどのspaghettiカルボナーラを作った。昨日の要領で成功、美味しく食べた。塩は茹でた麺にもかけた方がよさそうだ。とにかく、油なしで炒める香ばしいBACON が命と見つけたり。

 

 食べ終わったら、もう④時前で、薫はFAVORITE SPANISH DISHESを訳し、くるみはまた食事の準備に没頭していた。1日徹底的に食い物に関わりあうようだ。少しきついが、こういう機会も余りないだろう。料理三昧の日々。うんざりして嫌いになるのだけ気をつければ、余り力こぶを入れず、さらっと料理の海に浸かってみよう。(薫は食事の海へ。) 飽きれば、また別のことをして、また戻ればいいれはないか。と無心を装う薫であった。くるみは料理にひと段落をつけて、スペイン語辞典と首っ引きで何事か真剣にやっている。夕刻には、ピクニック用ハンバーグ()を作り終え、sopa de fideos y verudira(Zuppa Minestrone)を火にかけている。あの大衆的なスープもやっと、くるみの自家薬籠中のものになったのであろうか。

 

 昼の酒で胃がくたびれていたが、Zuppa Minestroneは優しく納まった。肉がちいこかったが、仲々練れてきたようだ。Vinoも昼よりバター味が弱くなったようで、コクを感じる。Baroloを思い出した。ちびハンバーグを数個焼いて出してきた。少し柔らかいが、no problemと思っていると、食後、くるみがげんなりして実験は失敗したといった。モロッコのミートボール風にしたのだという。香辛料(エス・モスカーダ)、刻みパセリと入れたが、仲々近づかなかったらしい。もう一つのモロッコ風香辛料cominoが強かったので、今回のは少しにしたらしい。そのためだろうか。徐々に歩を進める他ない。いつになく、少量で食事を終える。くるみはこの後、アリオリスパゲティを食べるかも知れぬとのこと。

明日はかなり早いので、備えて休もう。彼女はノート作りに励んでいる。最近絵がなくて淋しいなあ。別紙に書いて貼り付ければいいのだがなあ。

 

 

GaudiCeramicaの新刊書を安く買った、Jaume I通りの古本屋。品格ある(スペインでは珍しく)ひげのおじさんがのりか何かを使い、木道具をあてがって、器用に古本の修繕をやっていた。金を払うと、一瞬、とても愛想にいい顔をして、また元に戻った。

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