10月9日 ミラノのサラリーマン

久しぶりのベッドでゆっくり寝た。しかし何故かこの部屋はペンキくさい。

明け方は少し寒かった。10時前にホテルを出る。

 

 ホテルインフォメーションにてHOTEL de AMICISを紹介される。やはり

インフォメーションで聞いたのより1000リラ高かったが、結構きれいなので

決めた。ここはペンキ臭くなくこぎれいにしてある。

 でも何故値段が2度も違うのだろうか?仕組みがよく分からぬ。

 

 但しホテルリストでは、ダブルMINIMUMは20800リラだったのでホテルで

言っている方がほぼ正しい。

 ここはビデが別室になって区切られている。便所は部屋の外で、便座がない。

但しきれい。昨日の轍は踏むまいと、トラットリア(大衆食堂)を見つけた。

 値段は1500〜2000リラがずらっと並ぶ。会社員も労働者も迷わずどんどん入って

ゆく。

 薫はtortellini in brodo(2000)を頼み、くるみはspaghetti aglio olio peperoncinoを頼む。ついでにvinoも。

  tortellini in brodo イタリア式ワンタン。スープはさっぱりと澄んで、具は

チーズと肉の味がする。

  spaghetti aglio olio peperoncino  スパゲッティに、ニンニク唐辛子をオリーブオイルで炒めたものを絡めている感じ。チーズをかけて食う。さっぱりして旨し。値段も安い。とても気にいる。

  vini  少し薄くアルコール分が少ない感じだが120円と安い。

前に座った会社員風のネクタイ締めたひげの男がツナ風のと茹でじゃがと、白インゲン豆に玉ねぎを盛ったものに酢をかけて食べているのを見て尋ねた。

tonno fagioli cipolla al olio(2000)だと教えてくれた。

 

 隣の人はベイクドポテトにハムのようなものを食べている。これは

fesa al  forno e patate(2500)というそうだ。これをきっかけにして色々と教えてもらった。ムール貝のことは、cozzeという。zuppaはスープのこと。

 この店の自慢料理を聞いたら、彼がボーイに聞いてくれた。

cotolletta valdostana risckio(2000)だという。ハムにチーズを衣を付けて油で

炒めたもの。つまりハムカツっぽい。これにポテトを2人前つけた。(ニンニクの香り

800リラx2)

パンは勝手に食べていいらしい。結果としてただだった。前の人がちゃんとフォークまで頼んでくれたのでふたつに分けて食べた。それから前のお人はデザートにバナナやリンゴやピーチの入ったポンチを食べていた。この間も色々と言葉が分からぬながら

教えてくれた。

 

  くるみはコーヒーが80リラなので頼んだ。小さなカップに入っていてすごく

深煎りだ。結構おいしい。二人で7600リラ払う。コップ代もナプキン代もサービスも税もない。心地よし。ここは良かった。

 

  このあとDUOMOに向かう途中、またさっきのイタリア会社員と出くわした。のんびりとウインドウなど覗いていたので、buon jiornoと挨拶してDUOMO広場で一緒に写真を撮ってから別れた。

 ドウオモに登った。歩いて登るのは、一人1000リラ。結構登り甲斐がある。

はじめは息苦しい狭い、便所くさい階段を上って行くと、急に大理石の屋根の上に出る。そこからは広場がよく見渡せる。ちょうど下で反戦の催しか、花束と赤いセロファンで包んだローソクで十字架を作り、ギターを弾いて歌っている人たちがいたのを

よく見下ろせた。

  ここの彫刻はどれも細かい。よくこんなに大きな塔の隅々まで細かな細工が施せた

ものだ。イタリアの青い空に白い大理石の像はよく映えていた。ほんとうにイタリアの日差しは春か夏のように暖かだ。さらに上に上がり、街々の屋根を眺める。

ここにも、もっとずっと上までも彫刻だらけ。とてもひぐらしの門どころではない。

スケールが大きい。降りるとき数えたら階段は200段余りあった。この200円は価値あり。(階段を登って行った時、くるみは大理石に頭をぶつけてたんこぶを作った。しばらく頭が痛く熱かったが、あんまりいたわられなかった)

 このあと薫は地下の便所へ行った。物価の安いイタリアでも便所代50円も取るという。けしからん。くるみはその間鳩が飛び交い埃が舞う、噎せ返るような広場で

待っていた。ここは気味が悪いほど鳩が多い。

 

  それからカステッロへ行った。地図にシンボルマークとしてついていた龍があった。美術館へも入ったが無料だった。裏口から入ってしまったのかな。写真も誰もいないため撮ってしまった。昔の鎧兜などおいてあった。ウルトラマンに酷似したものも

あった。龍のついている泉でお金(余っていたデンマークの小銭)を投げると

ちゃんと泉に入った。

 薫は外人の真似をしてくるみにキスをしようとした。ここの広場は若者が多い。売店で眺めたり写真を撮ったりしていると、見知らぬ青年たちが薫にPININIという

とうもろこしを大きくしたような塩豆をくれた。何でくれたのか分からぬ。

 

  疲れたので引き返す途中、賑わっている店があった。どうも果物屋でジュースやシャーベットを作って売っている店らしい。テラスでのんびり飲んでいるジュースがとても美味しそうだったので、中に入る。レジで食券を買い渡してジュースを一杯づつ飲む。やはり美味なり。(一人500リラ、100円なり)主体はイチゴで、そのほかピーチやアップルを混ぜたような100%なまというジュース。飛ぶように売れていた。

 このように果物にあまり手を加えず素材を生かして客に提供する安価なセルフサービス屋はとても可能性がある。

 そのほかシャーベットやアイスクリームも値段の違うカップ分の券を買うと、そこに好きなものを入れてくれる。くるみはバナナとイチゴを入れてもらった。一色でも二色でもいい。たっぷり入れてくれる。これはちょっと甘かったがおいしかった。(1000

リラ)店名 VIEL gelati frullati di frutta piante e fiori

 

  先述の会社員と出会ったミラノのトラットリアのメニュー一覧 

 

trattoria BOARIO

 

fritto mare 4000

fritto di gamberetti  6000

gamberoni al ferri 6000

pizza al funghi 2500

pizza alla capricciosa 2500 

pizza quattro stagioni 2500

pizza al prociutto 2500

calzone (prociutto mozzarella) 2500

pizza margherita 2500

pizza alla napoletana 2500

pizza alla pugliese 2500

pizza alla romana 2500

pizza al gorgonzola 3500

pizza con wurstell e peperoncino ? 3500

zuppa di cozze 2500

gnocchi alla risekio ? 1200

minestrone di riso 1200

zuppa di verdura 1200

macheroni alla risekio 1200

maccheroni alla lupara 1200

maccheroni al ragu 1200

spaghetti aglio olio peperoncino 1200

spaghetti al ragu 1200

spaghetti alla vongole 2500

tortellini alla bolonese 2000

tortellini panna prociutto 2000

tortellini burro fuso salvia 2000

tortellini in brodo 2000

 

i contorni senza prezzo sone compresi

 

fagioli toseani olio pepe sale 

insalata mista 800

insalata pomodori  800

patate arrosto/patate al prezzemolo/

insalata verde/ cornetti all/

olio cranti /piselli /polenta /

senape funghi trifolati 1000/

oliva nere 1000

 

finito

 

 夕食のためのお惣菜を買いに、また広場の方まで引き返した。海老とタコとトマトの

酢漬け(キロ2200リラ)とムール貝のオリーブオイル漬け(キロ1500リラ)を買う。予想より高くて6500リラくらい

取られた。これからはちゃんと量を言わねばならない。言葉が通じないため、ついつい

多く取られてしまう。今後は交渉は薫の役目となる。

 

 ホテルに帰って朝買った赤ワインとパン、上記の惣菜とクリームチーズで夕食に

した。赤ワイン旨し。これ(1979年もの)で300円ちょっととは。日本で通の人に

飲ませてみたい。クリームチーズは牛乳のおからという感じ。失敗。やはり安物買いの

銭失いだ。惣菜、海老とタコは少し塩辛い。ムール貝はニンニクが聞いてうまい

味つけ。

ワインが結構強いので二人ともいい気分になる。明日はフィレンツェに行くことにし

朝7時55分フィレンツェ行きなので早起きをする覚悟で眠ることにする。

 すでに薫は高いびき。くるみはまだやることがたくさんあるから眠れない。

 

※スーパーマーケットに行った際、ジュースを買おうとしたら、1/3くらい減っているのが1つ平然と置いてあった。誰も何も言わない。

同じくレジで並んでいたら、前の男の人のカゴの中に1/4くらに減ったコカコーラの瓶が入っていたが、全然気にしていない様子。

レジの女性に言われて取り替えにいったがー。少しのことは気にしない大まかなイタリア人らしい気がする。