7:30頃 ドイツ人夫妻がドヤドヤと入り込んできてくるみが席を譲る。
何となく狭い了見から不愉快に感じたことは事実だ。その後イタリアに入ったので
パスポートを調べにきたが、パスを見せぬうちに、”ヤポン?”と言いそのまま
去った。
薫は残った五個のうち味の無くなった四個のプラムをもくもくと食べ、粉々になった
コーンフレークをだぼはぜのように流し込んだ。魚の燻製も食べる。くるみはリンゴのみ齧る。
一晩中列車で揺られたせいで頭ごと拳骨でうめぼしされたようだと、くるみはのたまった。身体がだるくしんどい。早く宿を取りたいなあ。
ミラノに着いた。大変だ。インフォメーションが閉まっている。勿論自慢じゃないが
宿など取っているはずもない。ルンペンのようなおっさんが寄ってきて盛んにホテルの斡旋をする。高し。(よく見たらこのおっさん胸にバッジが付いていた、何のバッジかいな)二度きっぱり断る。駅の外貨交換所兼バンクで150ドル分のリラを得る。
得たリラ 207750リラ。これは1ドルイコール260円換算して159ドル分。
何と手数料を含めて考えてもリラがドルに対して弱い分、9ドル儲かったことになる。
出るときは損するが。
ちなみに一円が五リラの相場は変わらず。
DUOMOに向かう途中、リストランテに入る。のちに悟ったがリストランテは高級食堂なり。地下に案内され、客が見えぬのでボラれるかなと思ったが、ずっと奥には客がいた。
スパゲッティのカルボナーラとプリマヴェーラを頼む。白ワイン二分の一リットル、
のちにリゾット。
Spaghetti Carbonara 3000リラ 麺は締まってよし。味もまろやか。ベーコンのみやや肉厚で
塩効き全体に旨し。あまり食べたことがない味だと感じる、
Vino bianco 2000リラ あとで少し頭にクラクラきたが、柔らかい辛口で呑むほどに効く。
もっとも安いワインを選んだが中々よし。一応ボルドーの葡萄酒なり。イタリアのじゃないんだ。1/2litreにしては随分と多い気がした。グラスでたっぷり5杯分くらい。
かなり酔う。
Rissoto 2500リラ マッシュルーム入りトマト煮ごはんという感じ。マッシュは白い柔らかいのではなく黒いしいたけの塩煮のようなもの。
塩だけでなく全体にからい味付け。コメは生から炊いた感じ。これはもうひとつだな。
但し日本の雑炊型リゾットとは少なくとも別種のものだ。
Spaghetti Primavera 3000リラ 説明からすると、要するにコンビーフ入りトマトソーススパゲティ。少し塩辛し。ニンニクは強くない。オリーブオイルは上質のようだ。
麺旨し。
勘定が高いので、くるみが身振りと紙に数字を書いて(メニューを見ながら)
その内訳を尋ねる。それによるとナプキン使用料2000リラ(400円)、それに税金
2000リラ(400円)を含めてのものだという。一応納得。やや損した感あり。
DUOMOでもインフォメーション見つからず。警官に聞いたが何と英語を全く
知らず、ホテルインフォメーションという言葉さえ分からなかった。それでも何とか
安ホテルだけ紹介してくれた。
次にビルの奥にいるおっさんを捕まえると、(おどけてさよならとお辞儀をされたが)
相談に乗ってくれ、DUOMOのそばまで送ってくれた。イタリア人も少なくとも3人は
親切な人間がいる。
informazioni turisticheにゆき親切なお姉さんにPension Ravelloを紹介してもらう。
手数料なし。ドウオモより徒歩5分。着くと19500リラだと言ったが決める。約4000円也。ベッドで一息。くるみはベッドの上で動く泥のように寝転がる。気づかぬうちに
一眠り。7時半過ぎ晩飯を求めて彷徨いでる。ドウオモそばのまたしてもリストランテ
に入る。入り口近くのガラス内では、ピッツァをつくっている人の立ち働く様子、釜
などが見え、客席近くには氷の入ったケースに鯛やイカや車海老の美味しそうなのが
見えている。
PIZZAとSpaghetti a la vongole、coke,Heineken beerを飲食する。
Pizzaはものすごく大きくだが塩辛し。サラミとmozzarellaチーズ、トマトペーストが
乗っている。ピザ生地は周りはふわっとしてその他は薄い。パンのよう。
ボンゴレは小さいあさりがいっぱい入っていて海の味という感じ。少し生っぽい。
やはりにんにくはあまり使っておらず、ソースが少し塩辛い。味はまあまあ。
麺は相変わらず旨し。
コップ代、コペルトと税金で5000リラほど取られた。飲み物も高く、ビール小瓶2000
リラ(400円)コーラ1000リラ(200円)コーラよりコップ代の方が高い。食ったものの倍、お金を取られた感じ。慣れないねえ。
明日は安くていい食堂に入るぞ。ナプキンとコップ代と税金がないことろに
入るべきだ。
宿に帰り、自販機のホットチョコレートを飲み眠る。薫はくるみに用ばかりやらせる。くるみはプンプンだ。