夜中の午前3時15分に起きなければならない。
放っておかれる。無我夢中のうちに空港に辿り
着いた後はユーゴスラビア女性の誘導があって無事チェックイン。
やっと機内に乗り込み、ほっと人心地がついた。今度はDC10でB707より大型できれい。
シリアのダマスカスに到着。一面砂漠で酷く
殺風景、激しく暑かった。空港外には出られない。
イスタンブール到着。同乗の日本人の多くが
降りた。
アムステルダム着。どんだけ各駅停車の飛行機なんだ。しかし、空中からの眺めは緑に覆われながらデザインされ、素晴らしい。
これまでと全く違う景色。雨がそぼ降っていたが、綺麗な街だった。
アムステルダムを発つと飛行機は雨雲に突入、
上空は眩しいばかりの日の光。
その雲海を見晴るかすと、向こうにイギリスらしき島が見えた。
great Britainは茶色のシックな家が恐ろしく
規則正しく並んでいて驚いた。方々に緑の
かたまり。ちっぽけじゃない公園。
飛行機が島の上空を旋回しながら徐々に
降下を始めた。
テムズ川が流れている。いよいよ着陸。
ロンドン ヒースローは、とても整備の行き届いた空港だ。カラチやダマスカスの殺風景さを見慣れたせいばかりでもない。
兎に角大きくて立派なものだ。気のせいか
皆んなが毅然として見えてしまう。入国審査の
列の中でダマスカスより乗った日本人、コセキさんと出会う。薫は審査の質問で予定外のこと、会社の休みは何日なのかと聞かれて20
daysと答えたのだが、少々戸惑っていた。
くるみは滞在日数と目的を聞かれただけですんなり通ってしまった。そのあと、薫の方を振り返って、"brother⁉️"というので、"my husband"
と言ったらとても驚いていた。
無事入国後、コセキさんに先導され、地下鉄駅
HEATHROW CENTRALへ。地下鉄のことを
俗語でChubbというそうだ。うん、そう言えば
いかにもChubbという感じのする車内。
窓から見える空の色は、灰色がかった青空に、
どんよりと暗い雲が浮かんでいるくせに、日の光で、不思議な明るさを感じる。イギリス製の
食器などによく描かれているのと同じだ。
不思議な色。
私たちの降りるふたつ前の駅でコセキさんは降り、私たちはVictoria駅で降りた。
ここからB&B、ベッドアンドブレックファーストの多い、BELGRAVE ROADは近いと聞いたが、5、6人に聞き、やっとたどり着いた。
実は最初の宿だけは日本から予約していたが、
気に入らないことがあって薫が断ってしまい
最初の宿から探し回らないといけない羽目に
陥っていた。
さてどのB&Bにしようかと、物色。2人の意見がほぼ一致してA Adams hotelに泊まることにした。
まず、くるみが聞くことにした。
"can I get a room for tonight"部屋はダブルしかなかったが、朝食付き、シャワー、税金、サービス料込みで、15ポンドというのでオーケーする。
部屋は贅沢ではないが、それなりにこぎれいに
してあった。ダブルベッドとシングルベッドが
各ひとつずつ。赤いビロードのカーテン、高い天井、オレンジの花模様のベッドカバー。
ベッドはふかふかのスプリングで、ちょっと柔らかすぎた。
薫がHyde park hotelに断りの電話を入れ、夜の街の中、その足で牛乳と、ぶどうパンを買って帰ってきた頃には、くるみは胃の痛みと疲れとでベッドの上で横になって毛布にくるまったまま、動くことも難儀になっていた。
そのまま何もしないうちに寝入ってしまったらしい。
夜中起きてコンタクトレンズをを外し又一寝入り。